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11月, 2022の投稿を表示しています

旧師団長官舎(上越市):高田に残る近代化の足跡、モダン建築と和室が織りなす静かな午後

秋も深まった本日、新潟県上越市の旧師団長官舎を訪れました。午前中は春日山城跡を巡り、戦国時代の歴史に思いを馳せたあと、高田の街に移動し、近代の記憶が色濃く残る旧師団長官舎に足を運びました。 門をくぐると、まず目に飛び込んできたのは長岡外史(ながおか がいし)の銅像です。その姿は堂々としていて、この場所がただの歴史的建築物ではなく、近代日本の歩みを伝える特別な場所であることを感じさせます。 旧師団長官舎の外観は、明治時代の洋風建築らしい落ち着いた佇まいです。白い壁と大きな窓が印象的で、当時のモダンな雰囲気を今に伝えています。内部へ進むと、時代を感じさせる趣ある洋室が広がり、シャンデリアや重厚な家具が非日常の空気を演出していました。一部はレストランとして活用されているようで、歴史ある空間で食事を楽しむこともできるのは魅力的です。 さらに印象的だったのは、2階に和室が設けられていることです。洋風建築のなかに和室があるというのは、日本の近代化のなかで和洋折衷が進んだ時代背景を象徴しているように感じました。畳の香りと、外の景色を取り込む障子の美しさが、どこか懐かしさを呼び起こします。 旧師団長官舎は、明治から昭和初期にかけての軍都・高田を今に伝える貴重な建物です。戦争の記憶だけでなく、近代日本がどのように西洋文化と向き合い、独自のスタイルを築き上げてきたかを体感できる場所でもありました。歴史好きの方だけでなく、建築や文化に興味のある方にもぜひ一度訪れてほしいスポットです。 旅程 東京 ↓(新幹線/えちごトキめき鉄道) 春日山駅 ↓(徒歩) 春日神社 ↓(徒歩) 林泉寺 ↓(徒歩) 春日山神社 ↓(徒歩) 春日山城跡 ↓(徒歩) 上越市埋蔵文化財センター ↓(徒歩) 春日山駅 ↓(えちごトキめき鉄道) 高田駅 ↓(徒歩) 平出修の旧居 ↓(徒歩) 旧師団長官舎 ↓(徒歩) 高田駅 関連イベント 周辺のスポット 高田城跡 上越市立歴史博物館 地域の名物 関連スポット リンク 旧師団長官舎 | 【公式】上越観光Navi - 歴史と自然に出会うまち、新潟県上越市公式観光情報サイト レストラン エリス - 大切な日のレストラン 旧師団長官舎|新潟の観光スポット|【公式】新潟県のおすすめ観光・旅行情報!にいがた観光ナビ 旧師団長官舎 - 上越市ホームページ 旧師団長官舎|ロケ地検索|新潟...

林泉寺 (上越市):謙信公と共に歩む越後の古刹、静寂の境内に響く武将の記憶

新潟県の上越市に来ました。コロナ後でまだ旅行の感覚が取り戻せておらず、どこに行こうか悩んでいるときに、「上越新幹線」という言葉が目に入り、上越ってどこだ?という感じで決めました。 春日山城を目指して、林泉寺(りんせんじ)に寄りました。 林泉寺は、上杉謙信にゆかりのお寺です。受付を過ぎると、相談な山門が見えてきます。裏側にある「第一義」の扁額は、上杉謙信の直筆の複製です。オリジナルは宝物館にあります。 林泉寺は、上杉謙信の曾祖父(そうそふ、ひいじじ)の長尾重景(ながお しげかげ)が曇英恵応(どんえい えいおう)という曹洞宗の高僧に出会い、感銘を受け越後にとどまってもらったのが始まりです。その後、上杉謙信の祖父の長尾能景(ながお よしかげ)が、重景が亡くなったあとに菩提を弔うために、林泉寺を創建しました。 曇英恵応は、曹洞宗の高僧で、短期間ですが、永平寺の住職も務めました。 春日山城で長尾家の四男として生まれた虎千代(後の上杉謙信)は、妾の子であったため、長尾家の後継者として扱われず、7歳のときに林泉寺に入門しました。虎千代は、林泉寺六代住職の天室光育(てんしつこういく)の教育を7年間受けました。 林泉寺は、長尾家、上杉家の菩提寺で、上杉謙信のお墓もあります。 上杉謙信のお墓の隣には、川中島合戦の供養塔があります。 他に、堀氏、松平氏、榊原氏の菩提寺でもあり、今もお墓が残っています。 林泉寺の惣門(そうもん)は、春日山城の裏門を移築したもので、市の指定文化財です。現存の唯一の春日山城の建築物であり、上越市市最古の建造物でもあります。 宝物館には、林泉寺や上杉謙信に関する多くの貴重な資料が展示されています。武田晴信(後の信玄)に関する手紙では、ひらがなで愚痴が書かれており、上杉謙信女性説が広がるのも理解できます。 上杉謙信が亡くなったあと、景勝が会津、米沢へ移転になり、林泉寺も米沢に移転しました。 その後、上越の林泉寺は衰退しますが、堀氏の時代に再興され、江戸時代からは寺領を与えられ、現在に至ります。 旅程 東京 ↓(新幹線/えちごトキめき鉄道) 春日山駅 ↓(徒歩) 春日神社 ↓(徒歩) 林泉寺 ↓(徒歩) 春日山神社 ↓(徒歩) 春日山城跡 ↓(徒歩) 上越市埋蔵文化財センター ↓(徒歩) 春日山駅 ↓(えちごトキめき鉄道) 高田駅 ↓(徒歩) 平出修の旧居 ↓(徒歩...

江戸東京たてもの園:銭湯からモダン建築まで、五感で楽しむ歴史の空間、暮らしの記憶をたどる建築散歩

本日は小金井市にある江戸東京たてもの園に来ました。 東京都小金井市にある「江戸東京たてもの園」は、江戸時代から昭和中期までの貴重な建築物を移築・復元して展示する野外博物館です。都立小金井公園の一角にあり、東京都江戸東京博物館の分館として1993年(平成5年)に開園しました。武蔵小金井駅や花小金井駅からバスでアクセスできるので、都心からの日帰りにもぴったりのスポットです。 園内は「東ゾーン」「西ゾーン」「センターゾーン」の3つに分かれていて、それぞれに趣の異なる建物が並んでいます。東ゾーンには、下町の商家や町家が再現されていて、まるで昭和初期の街角を歩いているかのような感覚になります。特に「子宝湯」という昔ながらの銭湯は圧巻で、唐破風(からはふ)の屋根や脱衣所の天井の高さなど、当時の建築の粋が感じられます。 西ゾーンに進むと、武家屋敷や農家など、より古い時代の建物が点在しています。こちらは静かで落ち着いた雰囲気が漂い、江戸時代の武蔵野の風景がよみがえってくるようです。季節によっては田畑の草花や畑の様子も見ることができ、建物と自然が調和した美しさを味わえます。 そしてセンターゾーンには、昭和初期のモダンな邸宅や洋風建築が立ち並びます。近代建築の巨匠・前川國男の自邸や、元内閣総理大臣の高橋是清の邸宅など、見応えのある建物ばかりです。内部に入ると、当時の家具や間取りがそのまま残されていて、生活の様子をリアルに感じることができます。 江戸東京たてもの園の魅力は、建物の外観だけでなく、実際に中に入って歩き回れるところにあります。畳の感触、障子越しの光、古びた床板の音――それらすべてが、かつての暮らしの空気を今に伝えてくれます。また、建物ごとにスタッフの方やボランティアガイドがいて、質問すれば丁寧に説明してくださるのも嬉しいポイントです。 季節ごとのイベントも充実していて、七夕やお月見、年末年始には昔ながらの行事を体験することができます。園内では特別展が開催されることもあり、何度訪れても新しい発見があります。入園料も比較的リーズナブルで、都内在住の中学生や65歳以上の方は無料で入園できるのも魅力的です。 まるで時代を旅するようなひとときを過ごせる江戸東京たてもの園。建物好きの方はもちろん、歴史や暮らしに興味がある方には、ぜひ一度訪れてほしい場所です。普段の喧騒を離れて、ゆったりと...