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福建会館:ホイアンの歴史と文化が交差する場所

貿易陶磁博物館からチャンフー通りをさらに東に進むと、福建会館の鮮やかな門が見えてきます。 ベトナム中部のホイアン旧市街には、中国系移民たちが残した歴史的建造物が数多く点在しています。その中でも特に注目すべきなのが「福建会館」です。この会館は、福建省出身の移民たちによって建てられ、現在では観光客に人気のスポットとなっています。 福建会館は17世紀、福建省出身の商人たちによって建設されました。当時、ホイアンは東南アジア屈指の国際貿易港であり、多くの中国系移民が居住していました。彼らは自分たちの文化や信仰を守り、交流を深めるために会館を設立しました。この場所は、単なる集会所としてだけでなく、宗教儀式や地域行事の中心地としても機能してきました。 福建会館は、福建省の伝統文化や建築様式を色濃く反映しており、福建移民たちの誇りを象徴する場所でもあります。また、会館内には商人たちが航海の安全を祈願した「天后聖母(媽祖)」が祀られています。 福建会館の建物は、鮮やかな色彩と精巧な装飾で知られています。屋根には龍や鳳凰といった伝説の動物が彫刻され、柱や梁には複雑な彫刻が施されています。 これらは福建省の伝統的な建築様式を忠実に再現しており、一歩足を踏み入れるとその美しさに圧倒されることでしょう。天井から吊るされている渦巻状の線香は1か月ほどかけて燃え尽きます。 福建会館の中庭は、落ち着いた雰囲気で散策にぴったりです。美しい陶器や植物が配置され、歴史的建物との調和が見事です。中庭にある池や彫刻も見逃せないポイントです。 また、会館内には福建省の伝統文化や工芸品を展示するスペースもあります。これらは移民たちの生活や信仰を垣間見る貴重な資料となっています。 福建会館はホイアン旧市街の中心部に位置しており、徒歩で簡単にアクセスできます。訪れる際は、単に建物を観るだけでなく、その背後にある歴史や文化に思いを馳せることをおすすめします。周辺には広肇会館や潮州会館といった他の中国系会館もあり、これらを併せて訪れるとホイアンにおける中国系移民の足跡がより深く理解できます。 福建会館は、ホイアン旧市街の世界遺産の一部として保護されています。美しい建築と豊かな歴史が詰まったこの場所で、ぜひ特別な時間をお過ごしください。 旅程 ホテル ↓(徒歩) フーンフンの家 ↓(徒歩) 来遠橋(日本橋) ↓(徒歩) ...

貿易陶磁博物館(海のシルクロード博物館):世界をつなぐ陶磁器の航路

買い物のための自由時間の後、来遠橋前に集合し、チャンフー通りを東へ進み貿易陶磁博物館へ向かいました。 ベトナム中部の街、ホイアン。その旧市街はユネスコ世界遺産にも登録され、かつて国際貿易港として栄えた歴史が今も息づいています。この地に足を運ぶなら、ぜひ立ち寄りたいのが「ホイアン貿易陶磁博物館」です。この博物館では、かつてのホイアンが東南アジアから東アジア、さらにはヨーロッパまでを結ぶ重要な交易の拠点であったことを物語る貴重な陶磁器の数々が展示されています。 博物館の建物自体が、18世紀に建てられた伝統的な木造建築です。歴史を感じさせるその佇まいは、ホイアン旧市街の美しい街並みと調和し、訪れる人々をまるでタイムスリップさせたかのような感覚に誘います。館内に足を踏み入れると、東南アジアや中国、日本、さらにはヨーロッパから運ばれた陶磁器が整然と並び、交易によって栄えた時代の活気を感じ取ることができます。一階と二階の間には、当時荷物を運び入れた大きな穴と滑車がついており、当時多くの商品が取引され栄えていたことが感じられます。 展示品の中には、ホイアンやその周辺地域で出土した陶磁器が多く含まれています。それらは、かつてこの地が交易ネットワークの中心としてどれほどの重要性を持っていたかを物語るものです。日本の陶磁器の特徴が見られる品もあり、日本との深いつながりを感じさせます。また、陶磁器の製造技術や装飾の進化についても詳しく紹介されており、各国の特色や技術の交流を学ぶことができます。 さらに、博物館では、単なる展示にとどまらず、かつてホイアンを経由して世界中に運ばれた陶磁器の軌跡をたどることができます。その背景には、国際交易を支えたホイアンの職人たちの努力と工夫がありました。彼らが生み出した品々は、遠く離れた異国の地で高く評価され、愛されたのです。 ホイアン貿易陶磁博物館は、旧市街の中心部にあり、散策中に立ち寄りやすい場所に位置しています。ホイアン旧市街の観光チケットで入館できるため、特別な入場料は必要ありません。博物館内をゆっくりと巡ることで、かつての繁栄を感じながら、現在のホイアンの街がその歴史をどのように受け継いでいるのかを知ることができます。 ホイアンを訪れるなら、この博物館を見逃すわけにはいきません。陶磁器の魅力を通じて、交易の拠点としてのホイアンの役割や、そこで生ま...

バムー寺の門:ホイアンの静寂を彩る門

徳賽寺をさっと見て、南周りで来遠橋に戻る途中に、ちょっとした広場がありました。現地では、なぜかGoogle Mapに何も表示されなかったので、写真だけ撮っておいたのですが、後で調べてみると、バムー寺の門(Cổng Chùa Bà Mụ)という歴史的な建物でした。 ホイアンの旧市街には、色鮮やかなランタンと歴史ある建物が織りなす幻想的な風景が広がっています。その中でもひときわ目を引くのが、Cổng Chùa Bà Mụ(バムー寺の門)です。この門は、ホイアンの魅力を象徴する存在であり、訪れる人々に静かな感動を与えてくれます。 バムー寺は18世紀頃に建立された寺院で、航海の安全や商売繁盛、家庭の平穏、子孫繁栄を祈願する場として多くの商人たちに信仰されてきました。ベトナムの伝統的な道教と仏教が融合した信仰の場としても知られ、地域の人々の暮らしに深く根付いています。現在では寺院そのものよりも、立派な門とその周囲の美しい景観が観光スポットとして注目されています。 この門の特徴は、何といってもその鮮やかな赤と黄色の配色です。シンメトリーにデザインされた構造は、ベトナムの伝統建築の美しさを際立たせています。門の屋根は優雅に湾曲しており、細部にはドラゴンや鳳凰の繊細な彫刻が施されています。門をくぐると、小さな池と手入れの行き届いた庭園があり、水面に映る門の姿が一層の趣を醸し出しています。 訪れるなら、朝早くか夕方の涼しい時間帯がおすすめです。特に夕暮れ時には、柔らかな光が門を照らし、周囲の風景と調和して幻想的な雰囲気に包まれます。また、ホイアン名物のランタン祭りの期間中は、ライトアップされた門がさらに美しく輝き、異国情緒あふれる光景を楽しむことができます。 Cổng Chùa Bà Mụへの入場は無料で、旧市街の中心部からも徒歩圏内にあるため、気軽に立ち寄ることができます。近くには有名な日本橋(来遠橋)やホイアン市場もあり、散策の途中で訪れるのにぴったりのスポットです。宗教的な場所であるため、訪問の際には肌の露出が少ない服装を心がけると良いでしょう。 ホイアンの街並みに溶け込むこの美しい門は、歴史の静かな語り部のような存在です。その佇まいに触れることで、ホイアンの奥深い魅力を再発見できることでしょう。 旅程 ホテル ↓(徒歩) フーンフンの家 ↓(徒歩) 来遠橋(日本橋) ↓(徒歩...

徳賽寺:歴史と静寂が交差する場所

来遠橋のあと、30分ほど買い物のための自由時間になりました。おみやげは十分買ったので、この隙に、近くの徳賽寺(Chùa Đức Sải)を見てくることにしました。 ベトナム中部の古都ホイアンを訪れると、色とりどりのランタンが揺れる街並みや歴史的な建物の数々に心を奪われます。その中でもひっそりと佇む徳賽寺は、静けさと歴史の重みを感じられる特別な場所です。 徳賽寺は、ホイアンが国際貿易港として繁栄していた17〜18世紀頃に建てられたと考えられています。この寺院は大乗仏教の教義に基づいており、ベトナム仏教の精神文化を感じられる場所です。境内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは繊細な装飾が施された屋根や、見事な木彫りの装飾です。ベトナムと中国の建築様式が巧みに融合したデザインは、見る者の心を惹きつけてやみません。 本堂には、穏やかな表情の釈迦如来像や慈悲深さを象徴する観音菩薩像が安置されています。その前に立つと、自然と心が静まり、祈りを捧げたくなるような神聖な雰囲気が漂っています。また、寺院内の庭園も見逃せません。静寂に包まれた庭には池や石灯籠が配置され、ゆったりとした時間が流れています。ここでは、忙しい日常を忘れ、心を整えることができるでしょう。 徳賽寺はホイアン旧市街からも近く、他の観光スポットと合わせて訪れるのに便利な立地にあります。朝早くや夕方に訪れると、観光客も少なく、より静かな雰囲気を楽しむことができます。訪れる際は、寺院への敬意を表して露出の少ない服装を心がけると良いでしょう。 徳賽寺を訪れた後は、近くの陳祠堂やトゥボン川沿いの灯篭流しもぜひ体験してみてください。ホイアンの静けさと賑わい、過去と現在が交差する瞬間に、きっと心が満たされることでしょう。 旅程 ホテル ↓(徒歩) フーンフンの家 ↓(徒歩) 来遠橋(日本橋) ↓(徒歩) 徳賽寺 ↓(徒歩) バムー寺の門 ↓(徒歩) 貿易陶磁博物館(海のシルクロード博物館) ↓(徒歩) 福建会館 ↓(バス) ミーケビーチ ↓(バス) ドラゴンブリッジ ↓(バス) ダナン空港 関連イベント 周辺のスポット フーンフンの家 来遠橋(日本橋) 貿易陶磁博物館(海のシルクロード博物館) 福建会館 ホイアンナイトマーケット ホイアン民俗文化博物館 関公廟 タンキーオールドハウス ホイアン市場 陳祠堂 Ong Voi...

来遠橋(日本橋):歴史の架け橋、屋根付きの橋に秘められた物語

フーンフンの家のすぐ東にあるのが来遠橋(らいえんばし)です。 ホイアンの来遠橋は、日本とベトナムの歴史的なつながりを象徴する建築物であり、16世紀末から17世紀初頭にかけて建設されました。この橋は、かつて国際交易で栄えたホイアンに日本人街と中国人街を結ぶために架けられたもので、今日ではホイアン旧市街のランドマークとして知られています。「日本橋」という別名でも親しまれている来遠橋は、その美しい建築様式と文化的意義から、世界中の観光客を魅了しています。 来遠橋の最大の特徴は、屋根付きの木造構造にあります。日本の伝統的な建築様式を基調としながらも、中国やベトナムの建築要素が巧みに融合され、独特の美しさを生み出しています。橋の欄干や屋根には細かい彫刻が施されており、当時の職人たちの卓越した技術を見ることができます。橋の中央には小さな祠(ほこら)が設置されており、ここには航海や交易の安全を祈るために道教の神である北帝真君が祀られています。この祠は、当時の人々が日常的に船旅や交易に伴う危険と向き合っていたことを物語っています。 また、来遠橋の歴史的背景を知ることで、ホイアンという町の特異性がより深く理解できます。16世紀から17世紀にかけて、ホイアンは日本、中国、ヨーロッパなどさまざまな国との交易が行われる国際港町として発展しました。その中で、来遠橋は日本人移住者が地域社会に溶け込み、他文化との交流を深めていた証として建設されたのです。名前にある「来遠」という言葉には、「遠くから来る」という意味が込められており、海外から渡ってきた人々や交易を象徴するものと考えられています。 1999年にはホイアン旧市街全体がユネスコの世界文化遺産に登録され、来遠橋もその一部として世界的に認知されるようになりました。この橋は単なる観光名所ではなく、ホイアンの歴史や文化を伝える重要な遺産でもあります。訪れる際には、橋を歩くだけでなく、その背景にある物語や人々の営みに思いを馳せてみると、より深い感動を得られるでしょう。 来遠橋はホイアン旧市街の中心部に位置しており、アクセスも非常に便利です。旧市街全体が観光地として整備されているため、チケットを購入すれば橋だけでなく周辺の歴史的建造物や博物館も楽しむことができます。特に早朝や夕方は混雑が少なく、橋の静かな佇まいをじっくりと味わえる時間帯としておすすめ...

フーンフンの家:美しい木造建築と巧妙なデザイン!ホイアンの過去に触れる旅

午前中、たっぷりと自由時間を満喫し、午後からはツアーのコースです。自由時間も楽しいですが、ガイドにまかせっきりのツアーのプログラムも気軽に楽しめます。飛行機の到着が明日の朝なのでツアーとしては明日までですが、観光としては実質今日が最終日です。良い人が多く、食事中や歩いているときも話しかけてくれたり、想像以上に楽しめました。一人の私に気を使っていただいたのかもしれませんが。本日のツアーの最初はフーンフンの家(Huấn Hưng House)です。 ホイアンの旧市街を訪れると、その美しい街並みの中に溶け込むように立つフーンフンの家は、ひと際目を引く存在です。この家は18世紀に建てられ、今もなおその輝きを失わずに多くの訪問者を魅了しています。ホイアンの歴史と文化を体感できるスポットとして、必見の観光名所です。 フーンフンの家の建築は、ホイアン特有の多文化的な影響を受けています。ベトナム、中国、日本、さらには西洋の要素が融合したデザインは、この地域がかつて国際的な交易の拠点だったことを物語っています。木材を主な材料として用い、精緻な彫刻が施された柱や梁は職人たちの卓越した技術を感じさせます。内部は風通しの良い設計で、中心部には中庭があり、住む人々が自然と調和した生活を送ることができるように工夫されています。 2階建てのこの家の上階は倉庫として利用されていました。交易で得た品々を保管するために設けられたこの空間は、ホイアンがかつての国際貿易港として栄えていたことを感じさせます。一方、下階は生活空間および商業スペースとして活用されており、商人たちが日々の取引を行い、家族と共に時間を過ごしていた様子が目に浮かぶようです。 特筆すべきは、この建物が300年以上の歴史を経ても非常に良好な状態で保存されている点です。洪水が頻繁に発生するホイアンでは、洪水対策が建築に組み込まれることが一般的でした。フーンフンの家も例外ではなく、高い床や移動しやすい家具など、巧妙な工夫が施されています。これにより、この家は過酷な自然条件の中でもその美しさと機能性を維持し続けています。2階の床、1階の天井に空いた穴は、かつてここから交易品を上げ下げしたり、また洪水のときには家具を2階にあげていました。 内部を見学すると、訪問者は伝統的な家具や陶磁器、そして当時の生活様式を反映した展示品に触れることができます...

ホイアン・トラディショナル・アート・パフォーマンス・ハウス:幻想的なホイアンの夜を彩る伝統舞踊と音楽の世界

10時になりホイアン・トラディショナル・アート・パフォーマンス・ハウスの営業開始が10:15だったので向かいました。劇場なのでお金を払うのかと思って値段を聞いたところ、「上に行って」と言われたので行きましたが払う場所が無かったので無料なようです。いつでも無料なのかお正月なので無料なのか分かりませんが、内容がすごく良かったのでお金を払っても損ではありません。公演は毎日複数回行われることが多いですが、スケジュールは時期によって変わるため、訪れる前に確認しておくのが良いでしょう。 ホイアンを訪れるなら、歴史的な街並みやランタンの幻想的な光景だけでなく、ベトナムの伝統芸術にも触れてみたいものです。そんなときにおすすめなのが、ホイアン・トラディショナル・アート・パフォーマンス・ハウスです。 ホイアン旧市街に位置するこの劇場では、ベトナムの伝統的な音楽や舞踊、そして歴史を伝える劇など、多彩なパフォーマンスを楽しむことができます。こぢんまりとした劇場で、観客との距離が近く、出演者の表情や楽器の細かい動きまでじっくりと観察できるのが魅力です。 特に印象的なのは、ベトナムの伝統楽器を使った生演奏です。竹笛や一弦琴、月琴といった楽器が奏でる音色は、異国情緒に満ちており、聴いているだけでタイムスリップしたような気分になります。演奏に合わせて披露される古典舞踊は、しなやかな動きと優雅な衣装が目を引きます。伝統的なアオザイをまとったダンサーが、流れるようなステップで舞う姿は、ホイアンの歴史ある町並みと見事に調和しています。 また、ベトナムの民話や歴史を題材にした短い劇も上演されます。言葉がわからなくても、表情や動作でストーリーを感じ取ることができ、異文化の物語に引き込まれます。こうしたパフォーマンスを通じて、ホイアンが古くから交易の要所であり、さまざまな文化の影響を受けながら独自の芸術を育んできたことが伝わってきます。 観覧する際には、できるだけ早めに劇場に向かい、席を確保するのがおすすめです。また、一部の公演では写真撮影が許可されていますが、フラッシュは控えるのがマナーでしょう。公演後には出演者と写真を撮る機会があることもあり、思い出に残るひとときを過ごせます。 ホイアンは、美しい街並みだけでなく、その文化や伝統が色濃く残る場所です。観光の合間にこの劇場を訪れ、ベトナムの芸術に触れてみると...

ドゥック・アン・ハウス:ホイアンの美しい商家

Ong Voi Communal Houseから南に進み、チャンフー通りを西に進むと、歴史ある町並みの中に佇むドゥック・アン・ハウス(Duc An House、徳庵家)が目に入ります。19世紀に建てられたこの家は、今も当時の姿を保ちながら、訪れる人々にホイアンの歴史と文化を伝えています。 Duc An Houseは、1850年頃に商家として建てられました。かつては書店や漢方薬店として賑わい、地元の人々が集う場所でもありました。しかし、この家が単なる商家にとどまらなかったのは、20世紀初頭にベトナム独立運動の重要な拠点となったからです。ここには当時の知識人や活動家が集まり、政治や社会について議論を交わしました。ベトナムの著名な革命家であるファン・チュー・チン(Phan Chu Trinh)もこの家と深い関わりを持ち、独立運動の活動拠点として利用していました。 この家の建築は、ベトナム、中国、日本の影響を受けた伝統的なスタイルを今に伝えています。木造の建物には美しい彫刻が施され、年月を経た木材が独特の風合いを醸し出しています。家の内部に入ると、天井を支える立派な柱や繊細な装飾が目を引きます。さらに、心地よい風が吹き抜ける中庭があり、当時の人々の生活の工夫が感じられます。 現在もDuc An Houseには当時の家族の子孫が住んでおり、家の一部を一般に公開しています。訪れた人々は、当時の家具や書籍を間近で見ることができ、かつての商家の暮らしぶりを実感できます。また、運が良ければ、家の歴史について住人から直接話を聞くこともできるでしょう。 ホイアンには多くの歴史的建築が残されていますが、Duc An Houseはその中でも特に、商業、文化、そして独立運動という多様な歴史を秘めた場所です。単なる観光スポットとしてではなく、ホイアンの過去を深く知ることができる場所として、訪れる価値があります。旧市街を訪れる際には、ぜひこの家の歴史に触れてみてください。 旅程 ホテル ↓(徒歩) ホイアン民俗文化博物館 ↓(徒歩) タンキーオールドハウス ↓(徒歩) ホイアン市場 ↓(徒歩) 関公廟 ↓(徒歩) 陳祠堂 ↓(徒歩) Ong Voi Communal House ↓(徒歩) ドゥック・アン・ハウス ↓(徒歩) ホイアン・トラディショナル・アート・パフォーマンス・ハウス ↓(徒歩) ...

Ong Voi Communal House:象のシンボルに込められた力と知恵

ホイアン民俗文化博物館で買ったチケットで5か所見れるということで、陳祠堂で2つ目なので他も見てまわることにしました。後で分かることですが、このチケットをチェックしない場所もあり、うまくいけば5か所以上見れます。 陳祠堂を南に向かうと、Google Mapでは Hoi An とだけ書かれていて、チケットと一緒にもらった日本語の地図では「ホイアンと言う集会所」と書かれた建物に行ってみました。 現地に設置されていた説明文によると、そこは英語では Hoi An Communal House、またはOng Voi Communal Houseと呼ばれています。Communal Houseで検索するとベトナムの情報が大量に出てきます。ベトナムの伝統的な建築の一つで、地域社会の精神的・文化的な中心地のことを英語でCommunal Houseと呼び、ホイアンにもいくつかあるようです。このブログでは分かりやすいようにOng Voi Communal Houseとします。 ホイアンの旧市街には、歴史的な建造物や文化的な遺産が数多く残されています。その中でも特に注目すべき場所の一つが「Ong Voi Communal House」です。この建物は、地域の伝統や信仰が色濃く反映された象徴的な場所であり、「Ong Voi」という名前はベトナム語で「象のおじいさん」を意味し、その名前に由来する「象」が特別な意味を持っています。 Ong Voi Communal Houseは、地域社会の中心地として機能してきました。ここでは、守護神や祖先を祀る儀式が行われ、農業や漁業の成功を祈願する場としても重要な役割を果たしてきました。ベトナムの伝統的な生活では、村全体が一つの共同体として機能しており、その核となるのがコミュナルハウスでした。Ong Voi Communal Houseも例外ではなく、地域の人々が集い、意見を交換し、祭りや祝い事を共に祝う場所として大切にされてきました。 この建物の最大の特徴は、その建築と装飾にあります。Ong Voi Communal Houseは、中国文化の影響を受けたベトナムの伝統的な建築様式で造られており、彫刻や漆塗りが施された柱や梁が見事です。特に、建物内外に見られる象のモチーフは、この建物の名前の由来でもあり、力強さや知恵、そして地域を守る象徴とされています...

陳祠堂:風水の知恵と祈りの空間

関公廟のあとの予定としては、ホイアン・トラディショナル・アート・パフォーマンス・ハウスでしたが、講演が10:30からなので、しばらく旧市街を散歩することにしました。北へ向かうと大きな道(Phan Chu Trinh通り)に出たため、西に向かってみました。しばらく歩くと何かお寺のようなものがあったため、入ってみました。 そこは、陳祠堂(チャン家、Trần Family Chapel)というところで、ここで初めて知ったのですが、ホイアン民俗文化博物館に入るために買ったチケットが旧市街の観光施設5か所を自由に選んで見れるものということでした。ということで、まずはここ陳祠堂を見て10:30まで、旧市街の他のスポットも見てまわることにしました。 ホイアンの旧市街には、歴史と文化が息づく数々の名所があります。その中でも特に興味深いのが、陳祠堂です。この祠堂は、17世紀末から18世紀初めにかけて建てられたもので、中国から移住してきた陳氏一族によって設立されました。一族の祖先を祀るためのこの祠堂は、現在もその文化的・歴史的な価値を保ちながら、多くの観光客を魅了しています。 陳祠堂の建築は、伝統的なベトナム建築と中国建築の要素が巧みに融合しています。建物は木造で、美しい彫刻や装飾が施されており、その細部には一族の繁栄と祖先への敬意が込められています。祠堂内部には祖先を祀る祭壇があり、香炉や遺影が整然と並べられています。この祭壇を囲む装飾やデザインには、風水の原則が反映されており、一族が風水をどれほど重視していたかをうかがい知ることができます。 この祠堂は単なる建築物ではありません。一族の歴史や絆を象徴する場所であり、代々の祖先を敬う儀式や集まりの中心地として機能してきました。中に保存されている資料や系譜図は、一族の歴史を伝える貴重な記録として、現在も大切に保管されています。また、一族の繁栄や移住の歴史を伝えるこれらの物語は、ホイアンの多文化的な背景を知る手がかりともなっています。 訪れる観光客にとって、陳祠堂はホイアンの文化と歴史を肌で感じることができる特別な場所です。祠堂の静寂な雰囲気や、美しく保存された建築の細部を間近で見ることで、過去への敬意と一族の絆の重要性を感じ取ることができます。見学中には、一族のガイドが祠堂の歴史や建物の特徴について丁寧に説明してくれることもあり、さらに...