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箱根関所:雪残る旧街道と湖畔の歴史、江戸の旅路をたどる

本日は、箱根関所を訪れるため、晴れた冬の日に旅に出ました。 午前中は三島スカイウォークや山中城跡を巡り、バスで箱根峠まで移動しました。箱根峠からは、旧東海道を徒歩で下ることにしました。道中、部分的に昔の石畳が残り、ところどころには雪が積もっていました。現代の靴や装備でも足元が滑りやすく、慎重に歩を進めなければならず、江戸時代の人々がこの道を越えた苦労は、想像以上のものだったのだろうと実感しました。 道を進み、やがて芦ノ湖(あしのこ)が目の前に広がりました。湖面は澄み、冬の空気に包まれた景色がとても印象的でした。かつての旅人も、同じように湖を見下ろしながら、これまで歩んできた道のりやこれから先の旅を思い描いたのかもしれません。 箱根関所は、今では観光地として整備され、かつての厳重な雰囲気を再現した施設が立ち並んでいます。 関所の建物を歩くと、江戸時代の旅の緊張感や人々の往来を感じさせる展示が並び、当時の雰囲気を今に伝えています。関所は、江戸幕府が箱根を東西の要所として設けた交通と警備の拠点であり、特に「入り鉄砲に出女」を厳しく取り締まったことで知られています。旅人は関所を通るたびに身分証明や持ち物検査を受け、女性の通行には特に厳しい制限が設けられていました。 その後、箱根関所資料館を訪ね、当時の関所の仕組みや、実際に使用されていた道具、通行手形などを間近に見ることができました。資料館では、関所の歴史的な意義だけでなく、当時の人々の暮らしや旅路の厳しさも感じることができ、改めて江戸時代の交通制度の大切さや、その中で生きた人々の物語に思いを馳せました。 歴史の舞台となった場所を自分の足で歩き、当時の空気を少しでも感じることで、机上で学ぶ以上の気づきや感慨がありました。箱根の地に今も息づく歴史を、改めて身近に感じた一日となりました。 旅程 東京 ↓(新幹線) 三島駅 ↓(バス) 三島スカイウォーク ↓(バス) 山中城跡 ↓(バス) 箱根峠 ↓(徒歩) 箱根関所 ↓(バス) 小田原城 ↓(徒歩) 小田原市郷土文化館 ↓(徒歩) 小田原駅 ↓(新幹線) 東京 周辺のスポット 箱根駅伝ミュージアム リンク 箱根町 箱根関所『よみがえった箱根関所』 400年前の箱根関所を完全復元!芦ノ湖の穴場な歴史スポットを紹介 | たびらい観光情報 箱根関所 | 箱根ナビ 箱根関所 旅物語館|静...

箱根峠:雪の箱根峠から旧東海道へ、関所まで歩く小さな旅

朝から静岡県側の三島を起点に、三島スカイウォークと山中城跡を見学したあと、山中城からバスで箱根峠へ向かいました。県境をまたぐ箱根の稜線は、地図で見ている以上に「交通の要衝」という顔を強く持っていて、実際に降り立った箱根峠は、その印象をさらに確かなものにしてくれました。 いまの箱根峠は、整備された幅の大きい東海道(国道1号の流れを汲む幹線)が通り、芦ノ湖スカイラインとの分岐点として巨大な交差点になっています。車で走る人にとっては実に分かりやすい結節点ですが、徒歩で立ち止まって景色を味わうには少し落ち着かない場所でもありました。とはいえ、少し高い位置に上がると、芦ノ湖(あしのこ)の方向へ視界が抜けます。湖へ向かってシャッターを切った瞬間だけ、交通の音が遠のいて、箱根らしい大きな空気に触れられた気がしました。 当初はそのままバスで箱根関所方面へ下るつもりで、いったんバス停へ戻りました。ところが待っているあいだに、箱根関所まで旧東海道の「箱根旧街道(箱根旧道)」が続いていることに気づきます。地図で距離を測ると、感覚としては30分ほど。せっかく箱根に来たのだから、現代の道路ではなく、かつての旅人が通った道を自分の足で辿ってみたいと思い、バスをやめて徒歩で下ることにしました。 旧街道へ入る場所には、旧街道と挟石坂(はさみいしざか)の説明板が置かれていました。「遺構」ではなく、いまも通れる道として息づいていることが、こうした案内からも伝わってきます。江戸と京を結ぶ大動脈だった東海道は、五街道の中でもとりわけ往来が多く、箱根はその難所として知られていました。急峻な地形に加え、天候の厳しさもあり、旅人にとって箱根越えは体力だけでなく判断力も問われる区間だったはずです。 少し下ると、雪が詰まった石畳の道になりました。これが旧東海道が現役だったころのものかは分かりませんが、もし当時の整備を受け継ぐものだとしたら、山道としては驚くほど「道」としての意志を感じます。一方で、雪が積もる状況では石畳はよく滑ります。旅情よりも安全が優先ですので、石のない隅の土の部分を選びながら、慎重に足を運びました。古道を歩くとき、歴史を追体験しているようでいて、実際には「いまの自然条件の中で自分がどう歩くか」という現実の感覚も同時に突きつけられます。その両方が重なるところに、旧街道を歩く面白さがあるのだと思いま...