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和歌山県立博物館:紀州徳川家と仏教美術の魅力

和歌山城を速足で駆け抜けたあと、和歌山県立博物館に向かいました。17時までなので、30分ぐらいしか見れませんでしたが、旧石器時代、縄文、熊野信仰、紀州徳川家など、重要な史跡の多い和歌山なので、幅広く展示されていました。毎月第一日曜日は無料のようで、運よく無料で入ることができました。残念なのは、展示物の写真撮影が禁止なので、あとで見直したり、SNSで紹介したりできないことです。 和歌山県立博物館は、和歌山県和歌山市にある県立の歴史博物館です。ここでは、和歌山の歴史や文化、美術に関する貴重な資料が展示されており、和歌山の魅力をより深く知ることができます。 この博物館の大きな特徴の一つは、紀州徳川家に関する資料が充実していることです。紀州徳川家は、徳川御三家の一つとして江戸時代に栄え、和歌山藩を治めました。館内では、徳川吉宗に関連する文書や、当時の武具や甲冑などを目にすることができます。歴史好きの方にとっては、江戸時代の紀州藩の繁栄を感じられる貴重な機会になるでしょう。 また、和歌山といえば高野山が有名です。高野山は真言宗の開祖・空海(弘法大師)が開いた聖地であり、和歌山県立博物館では高野山にまつわる仏教美術が多く展示されています。平安時代から江戸時代にかけての仏像や、経典、仏具などが所蔵されており、仏教美術に興味がある方には特におすすめです。静かな館内で、仏像の表情や細かな彫刻をじっくり鑑賞すると、当時の信仰の深さを感じることができるでしょう。 さらに、和歌山には熊野三山や熊野古道などの霊場もあり、熊野信仰に関する資料も展示されています。熊野信仰は平安時代の貴族たちからも篤く信仰され、多くの巡礼者が熊野古道を歩きました。その歴史的背景を学ぶことで、熊野の自然と信仰のつながりをより深く理解することができます。 特別展や企画展も定期的に開催されており、訪れるたびに新しい発見があります。季節ごとに異なるテーマで展示が行われ、和歌山の文化や歴史をより幅広く知ることができます。過去には、江戸時代の和歌山の町並みに焦点を当てた展示や、紀州の伝統工芸に関する特別展も開かれました。 現在は、『世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年記念特別展 聖地巡礼 ―熊野と高野― 第Ⅴ期 蘇りの地・熊野 ―熊野本宮大社・湯峯と熊野川―』が開催されており、熊野信仰に関する資料や解説が展示されて...

和歌山城:紀州徳川家の歴史を巡る旅

紀伊風土記の丘で天王塚古墳を見学した後、帰りの電車までに少し時間が余っていたので、市の中心に移動し、和歌山城と和歌山県立博物館に行くことにしました。 和歌山城 (わかやまじょう) は、和歌山県和歌山市にある歴史的な城で、紀州徳川家の居城として知られています。江戸時代には徳川御三家の一つである紀州藩の中心として栄え、多くの歴史的な出来事の舞台となりました。 この城の始まりは、戦国時代の1585年(天正13年)にさかのぼります。豊臣秀吉の命を受けた弟の羽柴秀長が、紀伊国を治めるために築城したのが和歌山城の始まりです。その後、関ヶ原の戦いを経て徳川家の支配下に入り、1619年には徳川家康の十男である徳川頼宣(とくがわ よりのぶ)が城主となりました。これにより、紀州徳川家が確立され、江戸幕府を支える御三家の一つとして重要な役割を果たすことになります。 和歌山城の魅力の一つは、その壮麗な天守閣です。戦災によって一度焼失しましたが、1958年(昭和33年)に再建され、現在は歴史資料を展示する博物館として公開されています。天守閣からは和歌山市内や和歌山湾を一望することができ、訪れる人々にとって見逃せないスポットとなっています。 また、城内には美しい日本庭園が広がっています。特に西之丸庭園(紅葉渓庭園)は、紅葉の名所として知られ、秋には鮮やかな色彩が訪れる人々を魅了します。春になると、和歌山城公園全体が桜に包まれ、約600本の桜が一斉に咲き誇る姿は圧巻です。桜の季節にはライトアップも行われ、夜の幻想的な雰囲気を楽しむことができます。 アクセスも便利で、JR和歌山駅や南海和歌山市駅からバスで約10分、和歌山市駅からは徒歩約20分で到着します。市街地に位置しているため、観光の合間に立ち寄ることもできるのが魅力です。 和歌山城は、歴史と自然が調和した魅力的なスポットです。訪れるたびに異なる表情を見せてくれるこの城は、歴史好きな方はもちろん、四季折々の景色を楽しみたい方にもおすすめです。 旅程 東京 ↓(東海道新幹線 / JR特急くろしお) 和歌山駅 ↓(タクシー) 紀伊風土記の丘 ↓(徒歩) 田井ノ瀬駅 ↓(JR和歌山線) 和歌山駅 ↓(タクシー) 和歌山城 ↓(徒歩) 和歌山県立博物館 ↓(徒歩) 和歌山駅 ↓(東海道新幹線 / JR特急くろしお) 東京 関連イベント 和歌山城公園 さ...

紀伊風土記の丘:悠久の時を感じる古墳の丘

今日は、和歌山県の紀伊風土記 (きいふどきのおか) の丘にある天王塚古墳(てんのうづかこふん、天王塚山古墳)の石室公開に当選したため、日帰りで和歌山に来ました。 和歌山県立紀伊風土記の丘は、1971年8月に開館した和歌山県が運営する博物館施設で、主に考古学と民俗学に基づく資料の保存・研究・公開を目的としています。 この施設は、国の特別史跡である「岩橋千塚古墳群(いわせせんづかこふんぐん)」の保全と活用を目的に設立され、和歌山市郊外の標高約150mの丘陵地に位置しています。敷地面積は約65ヘクタールにも及び、園内には大小約400~500基の古墳が点在しており、歴史的なロマンを感じられる場所です。 和歌山県立紀伊風土記の丘の館内には、古墳から出土した埴輪や陶磁器、民具など、古代から中世にかけての貴重な考古資料が展示されています。特に、ここでしか見ることができない「翼を広げた鳥形埴輪」や「両面人物埴輪」などは、古代の人々の生活や信仰を知る上で重要な手がかりとなっており、考古学ファンにとっては必見の展示です。 館舎は、松下幸之助氏の寄付を受けて建設されました。弥生時代の高床倉庫を模したデザインが特徴的で、外壁には近隣の古墳の石室に使用される「青石」が使われています。歴史的な趣を感じさせる外観は、博物館でありながらも、まるで古代の世界にタイムスリップしたかのような気分にさせてくれます。 広大な園内では、実際に公開されている古墳も複数あり、内部に入ることができる古墳もあります。これにより、古代の埋葬文化や当時の技術を体験的に学ぶことができ、訪れる人々に新たな発見を提供しています。 また、館舎の麓には、国や県指定の重要文化財に指定された移築民家集落や、万葉集に詠まれた植物を楽しめる万葉植物園が整備されています。 四季折々の自然と歴史が融合した環境の中で、散策を楽しむことができ、特に春の桜や秋の紅葉の時期には、多くの訪問者で賑わいます。 和歌山県立紀伊風土記の丘では、年に4回開催される企画展や特別展も魅力の一つです。さらに、埴輪や勾玉づくりなどの体験イベントも行われており、家族連れや学校・団体での見学にも人気です。特に体験イベントでは、古代の人々の文化に触れ、自分だけの作品を持ち帰ることができるため、大人も子供も一緒に楽しめる内容となっています。 施設のアクセスも良好で、和歌山市の...

那智の滝

和歌山観光の2日目。 熊野御坊南海バスのバスツアー で那智の滝に来ました。 和歌山の南側は見どころは多いのですが、1つ1つの距離があり気軽に来れる場所ではないため、バスツアーを利用しました。 バスは大型のもので、人数もちょうど良く一人2席ぐらいとれたので、非常に快適でした。那智の黒飴もお土産にいただきました。 那智の滝(なちのたき、那智滝、那智大滝、那智御瀧、一の瀧)は、華厳滝、袋田の滝と共に日本三名瀑の一つです。日本三なんとかは、だいたい三番目を主張するものがたくさんあって3つに収まらないのですが、日本三名瀑では袋田の滝と競う名瀑が多いようです。一般的にはこの3つで安定しています。 滝の落口の岩盤に切れ目があり三筋に分かれて流れ落ちるため三筋の滝ともいわれています。 那智の滝は、国指定名勝であり、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録資産の一つでもあります。周囲の那智原始林も世界遺産の一部です。 手前の広場には鳥居もあり、滝自体がご神体で、古来より熊野信仰の中心地のひとつでした。1,300年以上前から滝行が行われてきました。 落差は133mあり、一段の落差としては日本2位です(総落差は12位)。 旅程 ホテル ↓(徒歩) 紀伊勝浦駅 ↓(バス) 川湯温泉 ↓(バス) 渡瀬温泉 ↓(バス) 湯の峰温泉 ↓(バス) 熊野本宮大社 ↓(バス) 瀞峡めぐりの里熊野川(志古) ↓(バス) 熊野速玉大社 ↓(バス) 熊野古道 大門坂 ↓(バス) 那智の滝 ↓(バス) 熊野那智大社/那智山 青岸渡寺 ↓(バス) 紀伊勝浦駅 周辺のスポット 青岸渡寺 熊野那智大社 地域の名物 那智の黒飴 まぐろ 串本節 めはり寿司 関連スポット 華厳滝 袋田の滝 吉野山 吉野水分神社 金峯神社 金峯山寺 吉水神社 大峰山寺 熊野本宮大社 熊野速玉大社 熊野那智大社 青岸渡寺 那智原始林 補陀洛山寺 丹生都比売神社 金剛峯寺 慈尊院 リンク 定期観光バス | 熊野御坊南海バス 社殿案内(那智御瀧)|熊野那智大社 わかやま観光 那智の滝 | 和歌山県公式観光サイト わかやま観光|モデルルート 大門坂~熊野那智大社・那智の滝 | 和歌山県公式観光サイト 世界遺産・熊野古道 | 那智勝浦観光サイト 熊野那智大社 飛瀧神社 那智御瀧

金剛峯寺:龍が眠る庭で時を忘れる、修行の空気に触れるひととき

一泊二日で和歌山観光に来ています。和歌山は、特に主要な観光地が東京からもっとも遠いと言われているだけあり、高野山周辺も那智周辺も日帰りは無理そうでした。一泊二日であれば、両方行けそうだったので、高野山内は高野山駅からはタクシー、那智周辺はバス観光で計画しました。高野山は、ローカル鉄道、ケーブルカーとまず一番奥の奥之院に行ってもらい、金剛峯寺(こんごうぶじ)に向かいました。 高野山の秋が深まり始めた本日、金剛峯寺を訪れました。空気は澄みわたり、木々は赤や黄に色づき、静けさのなかに厳かな気配が漂っていました。真言宗の総本山として知られるこの寺院は、今もなお多くの巡礼者や観光客を惹きつけてやみません。 正門をくぐると、まずその壮麗な構えに圧倒されました。門を越えた先には、歴史の重みと品格をまとった建物が静かに佇んでおり、時代の流れを超えてきた気配が感じられます。 境内を巡るうちに目にした蟠龍庭(ばんりゅうてい)は、言葉を失うほどの美しさでした。白砂に表現された龍の姿は、静止しているにもかかわらず、今にも動き出しそうな生命力を宿しているように見えました。その構図の中に込められた意図を想像するだけでも、自然と背筋が伸びるような思いがします。 土室(つちむろ)と呼ばれる空間にも足を踏み入れました。ひんやりとした空気の中にも張り詰めた気が漂っているように感じられました。現代の私たちには想像もつかないような精神の練磨が、この場所で行われていたのでしょう。 台所にも立ち寄り、驚くほど広大な空間に目を見張りました。大きな竈や道具の数々は、かつて多くの僧侶たちに食を提供してきた証です。修行の一環としての食事、それを支える調理の営みにも、仏教の教えが息づいていることを感じました。 金剛峯寺の中をめぐりながら、単に歴史ある建物を見学したという以上に、そこに流れる時間と精神に触れるような体験ができたことが何よりも印象的でした。秋の高野山は静謐で、どこか祈りの時間がゆるやかに流れているように思えました。この日感じた尊さと静けさは、心に長く残り続けることでしょう。 畠山氏 室町時代の政治を支えた重要な一族のひとつに、畠山氏(はたけやまし)があります。この家は、将軍を補佐する最高職「管領(かんれい)」を務めた家柄であり、細川氏、斯波氏と並ぶ三管領家の一角を成しました。特に15世紀の動乱期には、畠山氏...