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三井寺(園城寺):日本三名鐘の響きと引き摺り鐘に秘められた弁慶の伝説

本日は、比叡山延暦寺を中心に琵琶湖の西側の観光をしました。延暦寺、日吉大社と訪れたあと、三井寺(みいでら / 園城寺(おんじょうじ))に向かいしました。 滋賀県大津市にある三井寺(園城寺)は、天台寺門宗の総本山として知られる名刹です。歴史の深さ、文化財の豊かさ、そして数々の伝説に彩られたこの寺院は、多くの人々を魅了してやみません。 三井寺の創建は7世紀後半、天智天皇の時代にまで遡ります。大友皇子(のちの弘文天皇)のために創建されたと伝えられ、平安時代には天台宗の高僧・智証大師円珍によって再興されました。以後、三井寺は円珍の流れを汲む「天台寺門宗」の中心寺院として発展していきます。しかし、その歴史は決して平穏なものではありませんでした。延暦寺との対立、戦乱による焼き討ちなど、幾度もの試練を乗り越えて現在に至ります。 三井寺という名称は、境内に湧く霊泉が天智天皇、天武天皇、持統天皇の産湯に使われたことに由来しています。現在も「閼伽井屋(あかいや)」と呼ばれる場所でその霊泉を見ることができます。 境内には数々の歴史的建造物が立ち並んでいます。本堂である金堂は、桃山時代の建築で国宝に指定されています。この堂内には御本尊の弥勒菩薩が安置され、訪れる人々を静かに見守っています。 また、三井寺を訪れるなら、ぜひ鐘の音にも耳を傾けてみてください。「三井の晩鐘」は日本三名鐘の一つとされ、その美しい音色は古くから多くの人々に愛されてきました。 この鐘とは別に「弁慶の引き摺り鐘」と呼ばれる梵鐘(ぼんしょう)の伝説が残っています。かつて武蔵坊弁慶が鐘を比叡山へ持ち帰ったものの、鐘が「イノー、イノー(帰りたい)」と泣いたため、怒った弁慶が比叡山から突き落としたとされています。その鐘は再び三井寺に戻り、今でも訪れる人々を迎えています。 また、三井寺の魅力は建造物や伝説だけにとどまりません。四季折々の自然の美しさも、多くの参拝者を惹きつける要因の一つです。春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が境内を鮮やかに彩ります。特に桜の季節には夜間のライトアップが行われ、幻想的な雰囲気に包まれた境内を楽しむことができます。 アクセスも良好で、京阪電車「三井寺駅」から徒歩約10分、またはJR「大津駅」からバスで約10分の距離にあります。京都からも比較的近いため、日帰りの観光にも適しています。 歴史と自然、文化が融合...