品川区は、東京湾に面した歴史豊かな地域です。今回、品川歴史館を訪れて、その歩みを時代ごとにたどることができました。
館内に入ると、まず古代の品川を物語る石器や土器が目に入りました。大森貝塚や池田山北遺跡といった、区内の遺跡から発見された実物の展示は、遠い昔にこの地で人々がどのような暮らしを営んでいたのか、想像をかき立ててくれます。
時代が進むと、大和朝廷の時代、東海道に設けられた大井駅が登場します。延喜式(えんぎしき)に記された大井駅の説明や関連資料を通じて、古くから交通や物流の要衝だった品川の一面を知ることができました。
鎌倉時代には、この地を治めた大井氏や品川氏の資料が展示されていました。戦国時代に創建された妙国寺の周辺の絵図もあり、江戸以前の品川がどのような地域だったのか、具体的に思い描くことができました。
江戸時代に入ると、幕府によって設けられた台場に関する資料が印象的でした。海防のために大砲が設置された御台場の絵図は、江戸が国の中心となった時代の緊張感や技術力を感じさせます。
明治時代になると、鉄道が開通し品川停車場が登場します。風景図画や工場で生産されたガラスやレンガなどの資料から、品川が近代都市として発展していく様子が伝わってきます。
関東大震災や戦後復興の展示コーナーでは、災害からの立ち直りと街の再生の記録を見ることができました。特別展では「昭和100年 しながわめぐり」と題し、品川のもう一つの顔である海苔漁の歴史が紹介されていました。かつて海苔漁が盛んだった品川も、工場の増加とともに水質が悪化し、漁業権が放棄されていく過程が、資料や写真によって丁寧に説明されていました。
時代ごとの展示を見ていくうちに、品川が湾岸の自然に恵まれた土地から、交通・産業の要所、そして近代都市へと、幾度も姿を変えてきたことがよく分かります。展示資料の一つ一つに、この街を生きた人びとの営みと、時代の大きなうねりが映し出されていました。歴史館の見学を通して、品川の今をより深く知ることができる貴重な時間となりました。
旅程
大森駅
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大森駅
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