本日は、澄み渡る青空の下、湯島聖堂(ゆしませいどう)を訪れました。
御茶ノ水駅から歩みを進めると、正門とは反対側の西門にたどり着きました。そこから杏壇門をくぐると、静謐な前庭が広がっており、歴史ある聖堂の雰囲気に自然と気持ちが引き締まります。
前庭の一角には、以前足利学校で目にした「宥座の器(ゆうざのき)」が据えられており、儒教の知恵や象徴に改めて触れることができました。
湯島聖堂は、江戸時代初期に徳川五代将軍綱吉が建てた孔子廟として知られています。日本の儒学振興の拠点として位置づけられ、後には昌平坂学問所が設けられたことから、多くの学者や文人がこの地で学びを深めてきました。
大成殿に入ると、正面には威厳ある孔子像が鎮座し、その周囲には孟子、曾子、顔子、子思の像も並んでいます。また、十哲の名が記された札や、歴代の賢儒の図像など、学問と徳を重んじる儒教の精神を今に伝える展示が印象的でした。
帰り道は、表門へと向かって進みました。道すがら、秋に黄色く色づくことで知られる楷樹(カイノキ)や、堂々たる孔子銅像が目を引きます。
歴史の中で何度も火災や再建を経てきた湯島聖堂ですが、現在も静かに訪れる人を迎え、学問の神聖な空気を湛えています。仰高門をくぐり、荘厳な正門を抜けて外に出ると、都心の喧騒が一気に戻ってきました。
この後は、歴史と学問の空気に包まれた余韻を感じながら、ほど近い神田明神へと足を延ばしました。湯島聖堂の凛とした空間は、現代の私たちにも思索や学びの大切さを静かに語りかけてくれます。
旅程
御茶ノ水駅
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本郷三丁目駅
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