昨晩の年越しイベントを終えて、本日はロンドン市内の探索をすることにしました。まず、西のバッキンガム宮殿に向かいました。途中の公園では、散歩中の人、自転車に乗る人、寒い中オープンカーに乗る人たちから、Happy New Year! と声をかけられて、全然知らない人でもカジュアルに声を声を掛け合うのは良いなあ、と思いながら歩いていました。イギリス人はもうちょっとお堅い感じかと思っていました。
ロンドン中心部にそびえるバッキンガム宮殿は、イギリス王室の象徴として世界中の人々を魅了し続けています。荘厳な外観と気品あるたたずまいは、訪れる者に英国の伝統と威厳を強く印象づけます。現在では、チャールズ3世の公式なロンドンの住まいであり、英国王室の儀礼や国家行事の中心地でもあります。
その起源は18世紀初頭にさかのぼります。もともとはバッキンガム公爵の私邸として建てられた「バッキンガム・ハウス」でしたが、1761年にジョージ3世が王妃シャーロットのために購入したことで、王室の私的な住居としての歴史が始まりました。そして1837年、ヴィクトリア女王の即位とともに、正式に国王のロンドン公邸としての役割を担うようになったのです。
建物は新古典主義の優雅なスタイルで統一されており、外観の荘厳さだけでなく、内部の華麗な装飾も見どころのひとつです。宮殿には775の部屋があり、その中には国賓を迎えるためのステート・ルーム、王族の私室、職員のオフィスなどが含まれます。特にステート・ルームは、毎年夏に一般公開されており、王室コレクションの美術品や装飾、豪奢な家具などを間近で鑑賞することができます。
観光客にとって、バッキンガム宮殿といえば「衛兵交代式」がまず思い浮かぶことでしょう。正門前で行われるこの伝統的な儀式は、赤い制服と黒い熊毛帽子をかぶった衛兵たちが音楽に合わせて行進する華やかなイベントで、多くの人々がこの瞬間を一目見ようと詰めかけます。その背景には、国家と王室を守るという誇り高い任務が息づいています。
また、バッキンガム宮殿のバルコニーも有名です。王室の結婚式や戴冠式など、歴史的な出来事の際には、王族たちがこのバルコニーに姿を見せ、群衆の歓声に応える光景が繰り返されてきました。そこには、国民とのつながりを大切にする王室の姿勢が感じられます。バッキンガム宮殿は単なる観光名所ではありません。今もなお、王室の日常と国家の公式行事が行われる「生きた宮殿」としての役割を果たしています。荘厳さの中に息づく伝統と格式を体感することは、英国を訪れるうえで欠かすことのできない貴重な体験といえるでしょう。
ヴィクトリア女王
イギリス近代史の象徴ともいえるヴィクトリア女王。彼女が在位した1837年から1901年にかけての時代は「ヴィクトリア朝」と呼ばれ、産業革命の進展、世界各地の植民地化による大英帝国の拡大、そして文化と芸術の爛熟期としても知られています。その足跡をたどるように、現在でも多くの史跡や博物館が彼女の人生と治世を語り継いでいます。
ヴィクトリア女王が王位を継いだ当初、バッキンガム宮殿はまだ整備途上にありましたが、彼女の治世下で本格的に国王の公邸として機能するようになります。現在もロンドンの中心に堂々と佇むこの宮殿は、女王の公務の舞台であり、国民にとって王室の象徴でもありました。夏季には一般公開も行われ、女王に関連する特別展示が開かれることもあります。
一方で、ヴィクトリア女王の幼少期を知るには、ケンジントン宮殿を訪れるのがふさわしいでしょう。1819年、彼女がこの宮殿で誕生したことは、今もロンドン市民に知られた事実です。内部には少女時代の部屋が復元されており、当時の衣装や日記、肖像画などが展示されています。少女時代の孤独や、即位に至るまでの厳格な育成方針が、展示物のひとつひとつに反映されています。
ヴィクトリア女王と夫アルバート公が「理想の家族の地」として選んだのが、ワイト島にあるオズボーン・ハウスです。二人はこの地に地中海風の邸宅を築き、そこで家庭生活を満喫しました。アルバート公の死後、女王はこの場所で静かに過ごすことが多くなり、1901年にはこの館で生涯を閉じました。現在では英国遺産機構によって保存されており、豪華な内部装飾や庭園、さらには海辺の子供用ビーチなど、家族の愛情あふれる空間を見ることができます。
夫を失った女王の深い悲しみを象徴する場所が、ウィンザー城の敷地内にあるフロッグモア・ハウスと霊廟です。ここにはアルバート公とヴィクトリア女王の石棺が安置されており、一般公開は限られているものの、静謐な空気に包まれた場所として知られています。
芸術とデザインをこよなく愛したアルバート公の意志を継ぎ、ヴィクトリア女王はロンドンにヴィクトリア&アルバート博物館を設立しました。ここには装飾芸術、工芸品、ファッションなどの世界的なコレクションが集められていますが、その礎はアルバート公の万国博覧会の精神にあります。館内では女王と公に関連する展示も見られ、文化政策の中核としての役割を今も果たし続けています。
また、ロイヤル・アルバート・ホールも女王の意志によって建てられた記念施設です。アルバート公の死後、彼を偲ぶために建設され、現在ではクラシック音楽からポピュラー音楽まで、さまざまな公演の舞台となっています。ケンジントン・ガーデンズに立つアルバート記念碑と並び、彼女の深い愛情と追悼の気持ちを具現化した建築物といえるでしょう。
王室のもう一つの重要な拠点であるウィンザー城は、女王がたびたび訪れていた場所でもあります。公式な行事のみならず、私的な時間も多くここで過ごしました。現在の城内には、彼女の治世を感じさせる調度品や絵画が数多く残されており、歴史の重みとともに王室の生活の一端を垣間見ることができます。
このように、イギリス各地に点在するヴィクトリア女王ゆかりの地を巡る旅は、ただ過去を訪れるだけでなく、彼女が築いた時代の精神や価値観を現代に感じる体験でもあります。政治、芸術、家庭、そして愛――ヴィクトリア女王の人生の豊かさを、これらの場所を通じて静かに味わってみてはいかがでしょうか。
旅程
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