水郷佐原山車会館は、千葉県香取市の佐原地区にある博物館で、伝統的な山車(だし)文化を紹介しています。特に、佐原の大祭で使われる豪華な山車が展示されており、祭りの歴史や地域の文化を学ぶことができます。また、山車の立体的な彫刻や装飾も見どころです。
佐原の大祭(さわらのたいさい)は、佐原地区で行われる伝統的な祭りで、「佐原の山車行事」としてユネスコの無形文化遺産にも登録されています。大祭は夏と秋の年2回開催され、それぞれ「夏祭り」と「秋祭り」と呼ばれます。江戸時代から続くこの祭りは、関東屈指の山車祭りとして知られており、豪華な山車や祭り囃子、勇壮な雰囲気が特徴です。
夏祭りは、八坂神社祇園祭とも言い、7月中旬に行われます。八坂神社の神輿(みこし)が町内を巡行し、合わせて10台以上の山車が引き回されます。佐原の町を背景に、豪華に飾り立てられた山車が巡る姿は壮観です。各山車には江戸時代の名工たちが手掛けた見事な彫刻が施され、その上に勇ましい武者や歴史的な人物の人形が載せられています。高さもかなりあり、道を進む姿は圧巻です。
八坂神社は、水郷佐原山車会館のすぐ隣にあります。
秋祭りは、諏訪神社例大祭とも言い、10月中旬に行われます。夏祭りと同様に、諏訪神社の神輿を中心に山車が町中を練り歩きますが、秋祭りは「本宿地区」と呼ばれる別のエリアで行われます。山車の数は秋祭りも10台以上で、壮麗な行列が続きます。秋祭りは紅葉が始まる時期に行われるため、秋の景色と山車の調和が美しいと評されています。
山車は各町内で所有され、町の誇りとして管理されています。佐原の山車は、4輪2層の曳山(ひきやま)で、豪華な彫刻や装飾が施されています。いわゆる「江戸型山車」とは異なり、独自に発展を遂げ歴史的な技術と文化の結晶といえます。材料は主にケヤキ材を用い、その他にヒノキ材やカシ材などで造られています。
※曳山(ひきやま): 飾り物を据えた山車(だし)
山車の最上部「大天井」と呼ばれる部分には、大きな飾り物が据えられています。鯉や鷹の藁細工もありますが、多くの神話や歴史上の人物を題材にした大人形で、身の丈5mに及び、山車全体で9m近くにもなります。鼠屋福田万吉、三代目原舟月、古川長延、三代目安本亀八、大柴護豊、湯本長太郎、面六などの名だたる人形師の手による作品であることが最大の特徴です。
古くは手作りのハリボテ人形や榊などの草木を飾り物としていました。1733年(享保18年)、関戸町が伊能権之丞家から夜着を借り受けて、猿田彦(大天狗)の飾り物を出したところ、大評判となり、それ以来関戸町は飾り物を猿田彦にしたという記録が遺されています。
また、山車の巡行に伴って「佐原囃子」という独特の祭り囃子が演奏され、祭りを盛り上げます。佐原囃子は勇壮でリズミカルな太鼓や笛の音が特徴です。佐原囃子も、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
旅程
東京
↓(鉄道)
香取駅
↓(徒歩 30分)
香取神宮
↓(徒歩 30分)
水郷佐原 山車会館
↓(徒歩)
伊能忠敬旧宅
↓(徒歩)
伊能忠敬記念館
↓(徒歩)
正上醤油店
↓(徒歩)
佐原駅
↓(高速バス)
東京
関連イベント
- 佐原の大祭 夏祭り(八坂神社祇園祭): 7月中旬
- 佐原の大祭 秋祭り(諏訪神社例大祭): 10月中旬
周辺のスポット
- 佐原町並み交流館/佐原三菱館
- 伊能忠敬旧宅
- 伊能忠敬記念館
- 香取神宮
- 諏訪神社(佐原新宿)
地域の名物
関連スポット
- 諏訪神社(佐原新宿)
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