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東京国立博物館: 特別展「はにわ」 / JRA70周年特別展示~世界一までの蹄跡~ / 博物館でアジアの旅 アジアのおしゃれ

 月曜に行った東京国立近代美術館の「ハニワと土偶の近代」に続き、東京国立博物館の特別展「はにわ」に行ってきました。

国宝の金象嵌銘大刀(きんぞうがんめいたち)。古墳時代の4世紀のものです。刀身部分は2世紀の中国の後漢時代。奈良県東大寺山古墳出土。

3点とも国宝の衝角付冑(しょうかくつきかぶと)、頸甲(あかべよろい)、横矧板鋲留短甲(よこはぎいたびょうどめたんこう)。古墳時代の5~6世紀のものです。熊本県江田船山古墳出土。

重要文化財の円筒埴輪(えんとうはにわ)。古墳時代の4世紀、奈良県のメスリ山古墳出土。

重要文化財の天冠をつけた男子(てんかんをつけただんし)。古墳時代6世紀、福島県神谷作101号墳出土。

重要文化財の船形埴輪。

重要文化財の「旗を立てた馬型埴輪」。埼玉県酒巻14号出土。6世紀。

重要文化財の武装石人。福岡県鶴見山古墳出土。古墳時代6世紀。

5体の「挂甲の武人(けいこうのぶじん)」の埴輪。同じ工房で造られた可能性もあるそうです。1つ目は、国宝。群馬県太田市飯塚町出土、古墳時代6世紀。埴輪としては最初の国宝。バンク・オブ・アメリカの支援で修復されたそうです。

2体目は、重要文化財。群馬県太田市成塚町出土、古墳時代6世紀。考古学者の相川之賀(あいかわしが)が収集しました。

3体目は、国宝でも重要文化財でもありません。群馬県伊勢崎市出土、古墳時代6世紀。

4体目は、重要文化財。群馬県太田市世良田町出土、古墳時代6世紀。5体の中で一番新しい。

最後は、国宝でも重要文化財でもありません。群馬県太田市出土、古墳時代6世紀。普段はアメリカのシアトル美術館に収蔵されています。今回63年ぶりの帰国だそうです。我々にとっては63年はほぼ一生ですが、埴輪にとってはついこの間のことでしょうね。

1体目の挂甲の武人の埴輪には、白色、赤色、灰色の3色の彩色が残っています。色を再現した複製も展示されていました。

重要文化財の「ひざまずく男子」。群馬県の塚廻り4号墳と茨城県桜川市の出土、古墳時代6世紀。土下座、おじぎは昔からの文化なんですね。

重要文化財の「家形埴輪」。奈良県桜井市出土、古墳時代5世紀。家形の埴輪があるということは400年代にはこういった家が建てられていたのでしょうか。

重要文化財の「家形埴輪」。大阪府美園古墳(みそのこふん)出土。古墳時代4世紀。こちらは2階建て。しかも300年代。文字が無い時代なので文書は残っていないのでしょうが、屋根の形といい、当時の建築技術の高さが感じられます(素人の想像で本当に当時2階建ての建物があったのかは知りません)。

導水施設形埴輪。大阪府狼塚古墳(おおかみづかこふん)出土。古墳時代5世紀。もしかしたら、埴輪は設計図の役割もあったのかもしれません。一辺に2個ずつ埴輪が並べられており、中央には導水管形の埴輪が置かれています。聖水の儀礼か遺骸の洗浄をした設備と考えられています。

重要文化財の「猿形埴輪」。茨城県大日塚古墳(だいにちづかこふん)出土。古墳時代6世紀。背中には子供形の猿が乗っていた跡が残っています。

重要文化財の「水鳥形埴輪」。兵庫県池田古墳出土。古墳時代5世紀。

国宝や重要文化財を中心に紹介しましたが、とんでもない数の埴輪が展示されていました。埴輪がブームなのか、来場者の数も多かったです。


特別展「はにわ」の後、表慶館(ひょうけいかん)で行われていた「JRA70周年特別展示~世界一までの蹄跡~」にも寄ってみました。

競馬には詳しくないのですが、一般のニュースで流れる有名な馬ぐらいは聞いたことがあるので、少しは興味ある展示があるかもと思い入ってみました。

聞いたことがあるような無いような馬の写真や絵が展示されていました。

他にも、初期のジョッキーの服や

トロフィーなどがいろいろ展示されていました。競馬が好きな方なら楽しめると思います。

私は、残念ながら、競馬に興味がないので、建物の写真を撮ったりしていました。

表慶館(ひょうけいかん)は、明治時代に建てられたネオバロック様式の美しい建築物で、重要文化財に指定されています。この建物は1909年(明治42年)に完成し、皇太子(後の大正天皇)のご成婚を記念して建てられました。設計は片山東熊によるもので、左右対称の堂々たる外観や豪華な内装が特徴です。

表慶館の見どころのひとつは、美しいドーム型の屋根と内部の装飾です。内装には、細かな彫刻やステンドグラスが施され、エレガントな雰囲気を醸し出しています。入口には大階段があり、左右対称に広がる大理石の階段も非常に印象的です。

もともとは美術品の展示などに利用されていましたが、現在は企画展や特別展が開催されることも多く、見学が可能な場合もあります。この表慶館は、当時の建築技術や装飾美術の粋を集めた建物として、建築ファンにも人気のあるスポットです。また、東京国立博物館の他の建物と共に、歴史と美術が融合した素晴らしい建築物の一つとして評価されています。


この後、小腹がすいたので、敷地内で販売されていたホットドッグを食べました。手が汚れたので、近くの建物に入り手を洗い、ふと見ると「博物館でアジアの旅 アジアのおしゃれ」という展示がされていたので、次の予定のギリギリまで見ていくことにしました。

重要文化財の如来三尊仏龕(にょらいさんぞんぶつがん)の3つ。すべて、中国陝西省(せんせいしょう)西安(しーあん)宝慶寺(ほうけいじ)にあったもので、唐時代8世紀のものです。

セクメト女神像。エジプトのテーベ出土、新王国時代(第18代アメンヘテプ3世治世)、紀元前1388年~紀元前1350年頃。メインテーマはアジアですが、エジプトなども展示されています。

彩陶短頸壺(さいとうたんけいこ)。中国甘粛省(かんしゅくしょう)または青海省(チンハイしょう、せいかいしょう)、馬家窯文化(ばかようぶんか)、紀元前2600年~紀元前2300年頃。

紅陶鬲(こうとうれき)。中国陝西省(せんせいしょう)出土。陝西龍山文化、紀元前2500年~紀元前2000年頃。

「長生無極(ちょうせいむきょく)」軒丸瓦(のきまるがわら)。中国陝西省(せんせいしょう)出土。前漢時代、紀元前2世紀~紀元前1世紀。

馬冠(ばかん)。中国西周(せいしゅう)時代、紀元前11世紀~紀元前8世紀。馬の頭につける馬具です。

獣帯鏡(じゅうたいきょう)。中国前漢時代、紀元前1世紀。

蟠螭文鼎(ばんちもんてい)。中国安徽省(あんきしょう、アンホイしょう)六安市(ろくあんし)寿県(じゅけん)出土。戦国時代、紀元前3世紀。鼎は牛、豚、羊などの肉料理を煮たり、供えるための容器です。

饕餮文三犠尊(とうてつもんさんぎそん)。中国殷(いん)時代、紀元前13世紀~紀元前11世紀。尊は儀式に用いる酒や水などを蓄える容器です。

饕餮文瓿(とうてつもんほう)。中国殷(いん)時代、紀元前13世紀~紀元前11世紀。

重要美術品の「五彩金襴手水注(ごさいきんらんですいちゅう)」。中国景徳鎮窯(けいとくちんよう)。明時代、16世紀。

重要美術品の「売玩郎図軸(ばいがんろうずじく)」。呂文英(りょぶんえい)筆。明時代16世紀。


特別展のはにわだけを見に来たつもりが、たっぷりといろいろなものを見れて、久しぶりに満足できました。

旅程

上野駅

↓(徒歩)

東京国立博物館

↓(徒歩)

鶯谷駅

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