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国立科学博物館:特別展「古代DNA ―日本人のきた道―」:古代DNAが紐解く、日本人の“きた道”を歩く

今日は、特別展「古代DNA ―日本人のきた道―」のため、国立科学博物館(こくりつかがくはくぶつかん)に来ました。先週は、雪やみぞれ・雹が降る日もありましたが、週末は暖かく上野公園には、花見の人や観光客であふれていました。

東京・上野にある国立科学博物館は、自然科学と科学技術に関する日本有数の博物館です。上野恩賜公園の中に位置し、動物園や美術館に囲まれながら、知的な冒険ができる場所として多くの人々に親しまれています。最寄りの上野駅や鶯谷駅からは徒歩5分ほど。アクセスの良さもあり、週末や休暇中は家族連れや学生たちで賑わいます。

博物館の建物は大きく「日本館」と「地球館」の二つに分かれています。日本館は、明治期に建てられた重厚な建築で、日本の自然や生物、日本人の科学技術の歩みを紹介しています。例えば、日本列島の地形がどのように形成されたのか、縄文時代の人々がどのような環境で暮らしていたのかなど、身近な自然史に触れられる展示が豊富です。明治以降に活躍した科学者たちの功績や、日本独自の技術進化も学ぶことができ、国内外から訪れる人にとっても非常に興味深い内容となっています。

一方の地球館は、地球そのものや生命の進化をテーマにした展示が並びます。恐竜の化石、鉱物、宇宙の構造、科学技術の最先端といった、まさに「知のデパート」と呼ぶにふさわしい空間です。特に巨大な恐竜の骨格標本や、深海生物の模型は迫力があり、子どもだけでなく大人も夢中になってしまいます。展示は体験型や映像を駆使したものも多く、難しいテーマでもわかりやすく楽しく学ぶことができます。

また、国立科学博物館では期間限定の特別展も開催されています。過去には「人体」や「深海展」、「大哺乳類展」などが開催され、大きな話題を呼びました。こうした特別展は、常設展示とは異なる切り口で科学の魅力に触れられる貴重な機会です。人気の展示は日時指定の事前予約制になることもあるため、訪れる際には事前にチェックしておくと安心です。

館内にはカフェやミュージアムショップもあり、恐竜グッズや理科系雑貨、展示図録などのお土産も充実しています。展示を見終わったあとに立ち寄って、その余韻に浸るのも楽しいひとときです。

科学が苦手だった方も、ちょっとだけ興味があるという方も、足を運べばきっと新しい発見に出会える場所。それが国立科学博物館です。日常をちょっと離れて、「なぜ?」を楽しむ1日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

特別展「古代DNA ―日本人のきた道―」

東京・上野にある国立科学博物館では、2025年3月15日から特別展「古代DNA―日本人のきた道―」が始まりました。この展示は、私たちの祖先がどこから来たのか、どのように暮らしていたのかを、最新のDNA研究と考古学の成果をもとに紐解いていく、非常に興味深い内容となっています。

今回の特別展では、旧石器時代から古墳時代までの日本列島や沖縄(琉球)、北海道(アイヌ)の人々に焦点をあてています。展示の中でも特に注目されているのが、沖縄県・石垣島の白保竿根田原洞穴遺跡から見つかった約2万7000年前の人骨、通称「4号人骨」の復元です。驚くべきことに、現代のゲノム解析技術により、この古代人のDNAを詳しく調べることが可能になり、彼らの生活や身体的特徴、さらには現代人とのつながりまでが明らかになってきています。

縄文時代や弥生時代、そして古墳時代へと続く日本人のルーツをたどる中で、ただの歴史的な出来事としてではなく、自分自身の過去を見つめるような感覚にさせられます。稲作の伝播や集落の形成、交流や移動の痕跡も、DNAという「もうひとつの証拠」によって新しい角度から浮かび上がってきます。

展示は視覚的にも楽しめる構成になっており、骨格模型や映像、最新の研究機材の紹介など、科学的な情報をわかりやすく伝える工夫が凝らされています。また、特別展の開催にあわせて、3月25日にはスバンテ・ペーボ博士による記念講演会も予定されているようで、より深くテーマに触れることができそうです。

会期は2025年6月15日まで。月曜日と5月7日(水)は休館ですが、祝日や連休中は開館している日も多く、スケジュールを調整しやすいのも嬉しいところです。入場料は一般・大学生が2,100円、小・中・高校生は600円で、未就学児は無料です。また、障害者手帳を持っている方と介護者1名は無料で入場できます。

私が訪れたのは開幕直後の土曜日でしたが、館内は多くの来館者でにぎわっており、展示を前に熱心にメモを取る学生や、解説に耳を傾ける親子の姿が印象的でした。科学というと少し難しいイメージがあるかもしれませんが、この展示は人間ドラマとしての「歴史」と「ルーツ」を感じさせてくれる内容で、思わず引き込まれてしまいます。

JR上野駅の公園口から徒歩5分ほどで到着するアクセスの良さもあり、ふらりと立ち寄るのにもぴったりです。自分のDNAの中に眠る、知られざる古代の記憶に触れる旅。そんな気持ちでぜひ、特別展「古代DNA―日本人のきた道―」を訪れてみてはいかがでしょうか。

旅程

上野駅

↓(徒歩)

国立科学博物館

↓(徒歩)

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