中国・北京のバスツアーに参加し、紫禁城(故宮博物院)の重厚な歴史を堪能した後、かの有名な万里の長城、八達嶺長城へと向かいました。晩秋の澄み切った空気のなか、バスは市街地を離れ、山々の中へと進んでいきます。車窓からの景色がだんだんと壮大になり、遠くに長城が連なる姿が見えたとき、何とも言えない高揚感を覚えました。
八達嶺長城に到着すると、すぐに小高い山の上へと続く長城の「頂上」が目に飛び込んできます。ガイドさんの説明によれば、左側には勾配の急な「男坂」、右側には比較的ゆるやかな「女坂」があるそうです。どちらを登っても構いません、という言葉に、せっかくなので両方の坂を味わってみようと決めました。時間を半分ずつ割り振り、まずは男坂へと挑みます。
男坂は予想以上に急勾配で、一段一段が高く、すぐに息が切れてしまいました。体力に自信があるつもりでしたが、想像以上の厳しさに、思ったほど先まで進むことができず、途中で引き返すことになりました。それでも、振り返ったときに見えた長城の壮大な風景は圧巻で、遥か昔の兵士たちがここを行き来したことを思うと、感慨深いものがありました。
次に女坂へと向かいます。男坂の後なので「これくらいなら楽勝だろう」と思っていたのですが、こちらも油断できません。坂自体は緩やかなものの、既に足がふらふらで、同じバスツアーのガイドさんも途中で立ち止まりながら登っていました。思わず追い抜いてしまうほどでしたが、お互いに笑い合いながら坂を登ったのも、良い思い出です。
八達嶺長城は明の時代に築かれた区間で、観光地として整備されてはいるものの、その圧倒的なスケールや、周囲の山々と一体となった景観は、まさに中国の歴史の重みを感じさせます。万里の長城という名前の通り、遥か彼方まで続く石造りの壁に、かつてここを守った人々の思いや、時代を超えた壮大な物語を重ねずにはいられませんでした。
帰りのバスに揺られながら、長城の上で味わった息切れや達成感、そして自分の足で歴史の一端に触れた実感が、心地よい疲労感とともに胸に残りました。今でもあの時の山々と、長城の果てしない姿が、鮮やかに心に蘇ります。
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