アゼルバイジャンのバクーに来ました。ホテルで周辺のツアーが無いか聞いたところ、割と安い金額でプライベートなガイドをつけてくれるということでお願いしました。バクーの郊外にも見所がいくつかあるので助かりました。
まず、世界遺産のゴブスタン国立保護区を案内してくれました。ガイドの方は大学院生で考古学を専門としているらしく、「あなた(僕のこと)が英語ももっと話せれば詳しく説明できるんだけど」、と残念そうでした。
アゼルバイジャンを訪れるなら、ぜひ足を運んでいただきたい場所のひとつが「ゴブスタン国立保護区」です。バクーの南西、およそ60キロほど離れた場所にあるこの地は、雄大な自然と人類の遥かな歴史が交差する、まさに時空を超えた風景に出会える場所です。
この保護区で最も有名なのは、後期旧石器時代から中世にかけて描かれたとされる岩絵の数々です。現在までに発見されているだけでも6,000点を超えるペトログリフ(岩絵)があり、そこには人々の狩りの様子、踊る人々、戦いの場面、そして古代の船のような乗り物までが描かれています。絵の多くは写実的で、特に動物の描写は驚くほど生き生きとしており、当時の人々がどれほど自然と共に暮らしていたかが伝わってきます。
また、この地には「ガヴァル・ダシュ」と呼ばれる不思議な石もあります。この石はたたくと金属のような澄んだ音が鳴り響くため、古代の儀式や音楽演奏に使われていたと考えられています。現地では「ナチュラルな太鼓」として親しまれており、その音色に耳を傾けると、どこか遠い昔の鼓動が聞こえてくるような気さえします。
ゴブスタンでは岩絵だけでなく、洞窟の住居跡や古代の墓地など、先史時代の生活の痕跡も多く残されています。こうした遺構を見ていると、人類の歴史がいかに深く、そして重層的であるかを感じずにはいられません。
興味深いことに、ノルウェーの有名な探検家トール・ヘイエルダールもこの地を訪れ、アゼルバイジャンの古代文化とスカンジナビアの神話的伝承との関連に注目しました。岩絵に描かれた舟や踊りの様子は、彼にとって文明のルーツを探る重要な手がかりとなったようです。
敷地内には近年整備された博物館もあり、岩絵の背景や出土品について詳しく学ぶことができます。インタラクティブな展示や英語・アゼルバイジャン語による解説も用意されているので、訪問前後に立ち寄るとより深い理解が得られるでしょう。
アクセスはバクー市内から車でおよそ1時間から1時間半程度。半日から日帰りで訪れることが可能です。ただし夏は非常に暑く、冬は冷たい風が吹くため、訪問には春か秋がおすすめです。
夕暮れ時には、カスピ海とゴブスタンの岩山が織りなす風景が一層美しくなります。古代人たちも同じ空を見上げながら、岩に思いを刻んだのだろうか……そんな想像を巡らせながら、静かなひとときを過ごすのもまた、この地ならではの魅力と言えるでしょう。
旅程
ホテル
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Mud volcanoes Gobustan
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(略)
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