本日は残念ながら少し雨模様なので、葛西駅に近い地下鉄博物館を訪れました。平井大橋の近く、東京メトロ東西線の葛西駅の高架下にあるこの博物館は、地下鉄の歴史と技術が凝縮された空間で、鉄道好きにとってはまさに宝の山のような場所です。
館内に足を踏み入れると、まず目を引くのは実物の地下鉄車両たちでした。戦後すぐに運行を始めた丸ノ内線の301号車は、どこか懐かしさを感じさせる赤い車体が印象的でした。一方で、地下鉄黎明期を支えた東京地下鉄道の1001号車や、東京高速鉄道の129号車は、昭和初期のモダンな雰囲気を漂わせており、現在の地下鉄へとつながる原点を感じさせてくれます。静かにたたずむ車両たちは、それぞれが都市の成長とともに走り抜けた歴史の証人のようでした。
展示の中でも特に目を引いたのは、巨大なシールドマシンのカッターディスクです。直径数メートルにもなる円盤は、まるで怪獣の装甲のように迫力があり、東京の地下に無数のトンネルを掘り進めてきた機械の力強さを物語っていました。実際に掘削の仕組みを解説するコーナーでは、単線シールドトンネルの断面模型も展示されており、私たちが何気なく通っている地下鉄の路線の裏側にある緻密な設計と安全性への工夫を垣間見ることができました。
また、車両の屋根部分に取り付けられているパンダグラフの展示では、電気をどのように集電し、走行につなげているのかという仕組みを模型とともに学ぶことができました。普段は見上げるだけの存在ですが、こうして間近に見ることで、日常の中にある高度な技術への理解が深まりました。
館内の最後には、東京メトロ全体の路線や街の様子をジオラマで再現した「メトロパノラマ」があります。電車が走り、駅が明るく光り、都心の喧騒が精巧に再現されたその風景は、小さな箱庭ながらも、東京という巨大都市の躍動を感じさせてくれました。
地下鉄博物館は、単なる鉄道展示にとどまらず、都市のインフラを支える人々の努力や、技術の進歩、そしてそれを支えてきた長い歴史に目を向けるきっかけを与えてくれます。地下を走る電車の中に込められた無数の物語を、これからは少し違った目で見られるようになった気がしました。
また訪れたい、そんな博物館でした。
旅程
葛西駅
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葛西駅
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