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4月, 2009の投稿を表示しています

火薬塔:レンガ造りの塔が語るリガの過去、中世の記憶を映す旧市街のランドマーク

スウェーデン門の後、ひときわ目を引く円柱形のレンガ造りの建物に出会いました。これが、ラトビア・リガの「火薬塔」です。朝から石畳の旧市街を巡り、歴史ある街並みや教会、広場などを見て回った一日の締めくくりとして、この火薬塔に足を運びました。 火薬塔は、丸みを帯びた堅牢な造りと、頂部の円錐型の屋根が特徴的です。中世のヨーロッパにタイムスリップしたかのような雰囲気が漂い、旧市街の中でも存在感のある建物です。塔自体の歴史は古く、14世紀に防衛施設の一部として建設され、リガの街を外敵から守る重要な役割を果たしてきました。当初は「砂の塔(Sand Tower)」と呼ばれていました。その後、火薬の貯蔵庫として使われるようになったことから「火薬塔」と呼ばれるようになったそうです。 現在はラトビア軍事博物館が併設されており、軍事や戦争の歴史を伝える展示が行われています。しかし、この日は夕方に到着したため、残念ながら博物館はすでに閉館していました。内部の展示を見ることはできませんでしたが、夕暮れ時にライトアップされ始めた火薬塔の姿は、日中とはまた違った趣がありました。 リガの旧市街を歩きながら、中世の防衛都市としての名残を今に伝える火薬塔を目にし、その歴史の重みや街の人々の営みに思いを馳せるひとときとなりました。再びリガを訪れる機会があれば、今度はぜひ博物館の中にも足を踏み入れてみたいと感じました。 旅程 ホテル ↓(徒歩) 聖ローランドの像 ↓(徒歩) ブラックヘッドハウス ↓(徒歩) (略) ↓(徒歩) 聖ペテロ教会 ↓(徒歩) 聖ヨハネ教会 ↓(徒歩) リガ航海史博物館 ↓(徒歩) リガ大聖堂 ↓(徒歩) 三人兄弟 ↓(徒歩) (略) ↓(徒歩) スウェーデン門 ↓(徒歩) 火薬塔 ↓(徒歩) 猫の家 ↓(徒歩) (略) 関連イベント 周辺のスポット ラトビア軍事博物館 スウェーデン門 猫の家 地域の名物 関連スポット リンク The Powder Tower | LiveRiga

リガ大聖堂:中世の時を刻む鐘楼の下で、バルト三国最大級の聖堂で出会う音と静寂の風景

聖ヨハネ教会から北西に進み、リガ大聖堂に向かいました。 リガの旧市街を歩いていると、ひときわ目を引く重厚な建物が視界に入ってきます。それが、ラトビアの宗教的・歴史的シンボルとも言えるリガ大聖堂です。赤レンガ造りのファサードと高くそびえる尖塔は、リガの街並みにおいて欠かすことのできない存在となっています。 リガ大聖堂の建設が始まったのは1211年、リガを築いたドイツ人司教アルベルトによるものでした。当時はリヴォニア帯剣騎士団の宗教的中心地として、またバルト海地域におけるキリスト教布教の拠点としての意味も込められていました。何世紀にもわたって増築と改修が重ねられてきたため、この聖堂にはロマネスク様式からゴシック、さらにはバロックやアール・ヌーヴォーの要素までが共存しています。建築の各部位に、その時代ごとの美意識や技術が息づいていることが、訪れる者の目を楽しませてくれます。 この大聖堂のもうひとつの顔は、音楽の殿堂としての姿です。中でも特筆すべきは、1884年に設置されたパイプオルガンです。ドイツの名門ウォルカー社によって製作されたこの楽器は、6700本以上のパイプを持ち、世界でも屈指の規模と音色を誇ります。毎年夏になるとオルガンコンサートが開催され、聖堂に響き渡るその壮麗な音色を求めて、世界中から音楽ファンが訪れます。荘厳な内部空間と音楽が一体となる時間は、まさに時を超えた宗教芸術の体験そのものです。 また、大聖堂に併設された博物館では、ラトビアのキリスト教史に関する展示が行われており、写本や宗教画、かつての司教たちの遺品などが丁寧に紹介されています。中世の静謐な雰囲気が漂う回廊式の中庭では、観光の喧騒を離れてゆっくりと時間を過ごすことができます。石畳の床とレンガの壁に囲まれながら、ここで静かに過ごすひとときは、まるで時間が止まったかのような感覚を覚えさせてくれます。 現在もリガ大聖堂はルター派の大聖堂として宗教的機能を保っており、礼拝や宗教行事が行われています。その一方で文化的なイベントにも開かれた場となっており、市民の心の拠り所として、またラトビアの歴史と芸術を伝える場として、今も生き続けています。 リガを訪れるなら、ぜひこの大聖堂を訪れてみてください。壮大な歴史、建築の美、そして音楽が調和する空間は、観光という枠を超えた深い感動を与えてくれることでしょう。 旅程 ...

リガ航海史博物館:リガ大聖堂に抱かれて、リガ800年の航海の記憶をたどる

聖ヨハネ教会から北西に進み、リガ大聖堂に向かいました。リガ大聖堂には、リガ航海史博物館(Museum of the History of Riga and Navigation)が併設されています。 リガ旧市街にたたずむ「リガ航海史博物館」は、ヨーロッパでも最も古い博物館のひとつとして知られています。その起源は18世紀にまでさかのぼり、1773年にリガの医師ニコラウス・フォン・ヒムゼルが収集した私蔵コレクションが母親の手によってリガ市に寄贈されたことから始まりました。このコレクションが礎となり、現在の博物館が設立されたのです。 博物館はリガ大聖堂の建物群の一部に位置しており、その歴史的建築物とともに訪れる者を魅了します。特に18世紀に建てられた古典主義様式のコラム・ホールは、かつて図書館として使われていた空間で、現在も会議や特別展示など多目的に活用されています。こうした空間そのものが、リガという都市の文化的層の厚さを物語っているように感じられます。 展示室は16に分かれ、リガの誕生から現代に至るまでの約800年にわたる歴史と、ラトビアの航海文化の歩みを紹介しています。館内を巡ると、中世から近代にかけての工芸品や武具、交易の品々が目を引きます。特にハンザ同盟時代の計量器や、リガで実際に使われていた処刑人の剣などは、歴史の重みを肌で感じさせる迫力があります。 リガを旅するならば、石畳の美しい街並みを歩いた後に、ぜひこの博物館を訪れてみてください。きっと、過去と現在が織りなす物語に心を動かされることでしょう。 大北方戦争 17世紀の終わり、バルト海沿岸はスウェーデンの影に覆われていました。グスタフ2世・アドルフ以来の武勲に支えられ、スウェーデンは北方の覇者として君臨し、バルト海を「スウェーデンの湖」とも呼ばれるまでに支配を広げていました。しかし、その栄光は永遠ではありませんでした。1700年、若き王カール12世の登場とともに始まった「大北方戦争」は、北ヨーロッパの勢力図を塗り替える大きな転換点となります。 戦争の火蓋が切られたのは、スウェーデンの周辺諸国が連携して攻撃を仕掛けたときでした。ロシアのピョートル1世、ポーランド・リトアニア共和国のアウグスト2世、デンマーク=ノルウェーのフレデリク4世──彼らは18歳のカール12世を侮り、好機と見て一斉に攻め込みます。ところがそ...

ブラックヘッドハウス:モーリシャス聖人とラトビアの絆、黒い頭の独身商人たちが集った場所

聖ローランドの像の後ろに建っているのが、ブラックヘッドハウス(House of the Blackheads、ブラックヘッドのギルドハウス)です。 ブラックヘッドハウスは、リガにある歴史的建造物です。この建物は、リガ旧市街(ヴェツリガ、Vecrīga)の中心部に位置し、ゴシック・ルネサンス様式の美しいファサードで知られています。 ブラックヘッドハウスは、1334年に建設されました。当初は、リガの商人ギルドが集会所として使用していました。 15世紀後半にはブラックヘッド(Brotherhood of Blackheads)と呼ばれる商人の組合が所有するようになりました。この組合は、若い独身のドイツ人商人で構成されており、特に海外貿易に関与していました。 ブラックヘッドは、特に聖モーリス(Saint Maurice)を崇拝していました。聖モーリスは、伝統的に黒い顔で描かれることから、ブラックヘッドの名前の由来となっています。 ブラックヘッドハウスは、何度も改築され、現在見られるファサードは、17世紀にルネサンス様式で再設計されたものです。しかし、第二次世界大戦中の1941年にドイツ軍の空爆で建物は大きな被害を受け、その後1948年にソビエト連邦によって完全に取り壊されました。 しかし、ラトビアがソビエト連邦から独立を回復した後、1990年代にブラックヘッドハウスは再建されました。現在の建物は、歴史的資料を基にして1999年に復元されたものです。 今日、ブラックヘッドハウスはリガの象徴的な観光スポットとなっており、訪問者は内部を見学することができます。館内には、ラトビアの歴史やブラックヘッドに関する展示物があり、また、美しい宴会場や会議室も見どころです。建物はまた、重要な市の行事や公式のレセプションなどにも利用されています。 旅程 ホテル ↓(徒歩) 聖ローランドの像 ↓(徒歩) ブラックヘッドハウス ↓(徒歩) (略) ↓(徒歩) 聖ペテロ教会 ↓(徒歩) 聖ヨハネ教会 ↓(徒歩) リガ航海史博物館 ↓(徒歩) リガ大聖堂 ↓(徒歩) 三人兄弟 ↓(徒歩) (略) ↓(徒歩) スウェーデン門 ↓(徒歩) 火薬塔 ↓(徒歩) 猫の家 ↓(徒歩) (略) 関連イベント 周辺のスポット 聖ローランドの像 Riga City Hall 聖ペテロ教会 Mentzendorff’s...

聖ローランドの像:ブラックヘッドハウスの守護者、騎士像が語るリガの過去と未来

 GWを利用して、ラトビアの首都リガ(Riga)に来ました。 リガは、リガ旧市街(ヴェツリガ、Vecrīga)が世界遺産で、中世のヨーロッパの街並みが残っており、長い間来たいと思っていた街です。 ブラックヘッドハウス前にある聖ローランドの像は、リガ旧市街の象徴的なランドマークです。この像は、聖ローランド(St. Roland)を讃えるものであり、彼は中世ヨーロッパにおいて正義と秩序の象徴とされていました。 聖ローランドは、フランク王国の軍人であり、シャルルマーニュ(カール大帝)の甥として知られています。彼は伝説的な英雄であり、特に「ローランの歌」(La Chanson de Roland)という中世の叙事詩でその名声を高めました。ローランドはキリスト教徒の騎士として、異教徒との戦いで殉教したとされ、後に聖人として崇められるようになりました。 リガの聖ローランド像は、もともと1897年に建てられました。この像は、市の守護者としてのローランドの姿を描いており、彼が剣を持ち、盾を掲げる威厳ある姿で表現されています。このようなローランド像は中世のヨーロッパ各地にあり、特にドイツや東ヨーロッパの都市で市庁舎や広場に設置されることが一般的でした。これらの像は、法と秩序の象徴として、市の独立と自治を示すものとされていました。 リガの像も同様に、市の自治や独立を象徴するもので、特にリガがハンザ同盟の一員として重要な貿易都市であったことを思い起こさせます。 聖ローランド像は、リガ市民にとって歴史的な誇りと市の独立精神を表現するシンボルであり続けています。また、観光客にとっても、この像はリガの歴史と文化に触れる貴重な機会を提供します。 現在でもブラックヘッドハウスの前に立つ聖ローランド像は、訪れる人々に市の豊かな歴史とその守護者としてのローランドの役割を思い起こさせる重要な存在です。 旅程 ホテル ↓(徒歩) 聖ローランドの像 ↓(徒歩) ブラックヘッドハウス ↓(徒歩) (略) ↓(徒歩) 聖ペテロ教会 ↓(徒歩) 聖ヨハネ教会 ↓(徒歩) リガ航海史博物館 ↓(徒歩) リガ大聖堂 ↓(徒歩) 三人兄弟 ↓(徒歩) (略) ↓(徒歩) スウェーデン門 ↓(徒歩) 火薬塔 ↓(徒歩) 猫の家 ↓(徒歩) (略) 関連イベント 周辺のスポット ブラックヘッドハウス Riga Ci...