バルセロナの初日、11月とは思えないほど暖かな日差しのもと、私は観光の道を歩き始めました。サグラダ・ファミリアの壮麗な姿に圧倒され、建築と信仰が織りなす空気を味わった後、次に目指したのはバルセロナ凱旋門です。
バルセロナ凱旋門は、1888年のバルセロナ万国博覧会の際に建設されました。多くの都市に凱旋門がありますが、バルセロナのものは赤レンガ造りで、やわらかい曲線と精緻な装飾が特徴的です。威厳を持ちながらも、どこか親しみやすさを感じさせる佇まいが魅力だと、訪れるたびに感じます。周囲には広い歩道と並木道が続き、市民や観光客が思い思いに過ごしていました。
しかし、その日の私は少し体調が優れませんでした。もしかしたら旅の疲れか、風邪を引いたのかもしれません。凱旋門の前に広がるリュイス・コンパニス通りにはいくつかベンチが設けられており、私はその一つに腰を下ろしました。目の前にそびえる凱旋門をゆっくり眺めながら、時折そよぐ風に身をまかせていると、心も身体も少しずつほどけていくような感覚に包まれました。温かな陽気に誘われて、ベンチの上でしばらくうとうとしてしまったのも、旅先ならではの贅沢な時間だったと思います。
しばらく休息をとったことで体調も戻り、再び歩き出す元気が湧いてきました。次に向かったのはサンタ・カテリナ市場。カラフルな波打つ屋根が印象的なこの市場では、地元の人々が活気に満ちた声を響かせ、新鮮な食材やバルの香りが漂っていました。
バルセロナ凱旋門は、歴史的な記念碑であると同時に、市民の日常に寄り添う憩いの場所でもあります。観光地としての賑わいと、静かな時間が同居するこの場所で過ごした午後は、私にとってバルセロナの街の温かさや包容力を実感させてくれる、忘れがたい思い出となりました。
旅程
(略)
↓(徒歩)
Parròquia de Sant Francesc de Sales
↓(徒歩)
↓(徒歩)
サンタ・カテリナ市場
↓(徒歩)
(略)
関連イベント
周辺のスポット
地域の名物
- ガスパッチョ
- パエーリャ
- シェリー酒
コメント
コメントを投稿