西東京市を散策したある夏の日、東伏見稲荷神社を訪れる機会に恵まれました。よく晴れた空の下、コロナ禍の影響で遠出が難しい時期でしたが、気分転換を兼ねてスクーターで都内近郊を巡ることが、週末の小さな楽しみになっていました。この日は下野谷遺跡公園で古代の面影に触れた後、地図で見かけた東伏見稲荷神社に立ち寄ることにしました。
正直なところ、事前に地図で調べたときは、町の中にある小さな神社なのだろうと想像していました。ところが、実際に現地に着いてみると、想像を超える大きな鳥居が堂々と構え、きれいに整備された階段が参道へと続いています。思わず「これは立派だ」と感じさせる風格があり、地域の人々に大切に守られてきた歴史を感じさせてくれました。
境内に足を踏み入れると、さらに驚かされたのが、京都の伏見稲荷大社を思わせる千本鳥居の存在です。朱色の鳥居が幾重にも連なり、光と影が織りなす幻想的な空間が広がっていました。東京都内でこのような光景に出会えるとは思わず、静かな感動を覚えました。
本殿で手を合わせてお参りを済ませた後、あらためて周囲を見渡すと、神社全体がとても清潔で、細やかな手入れが行き届いていることが感じられます。地域に根ざした信仰の場でありながら、どこか心が洗われるような、特別な雰囲気が漂っていました。
東伏見稲荷神社は、昭和4年(1929年)に創建されました。関東地方における稲荷信仰の広がりの一環として、京都・伏見稲荷大社から分祀された神社であり、「東の伏見」という名前にもその由来が表れています。創建からおよそ1世紀近く、今も地域の人々に親しまれ、初詣や季節の祭事の際には多くの参拝者で賑わうそうです。
参拝を終え、神社を後にして次の目的地である東伏見公園へと向かいました。都市のなかにあって、心静かに過ごせる神社との出会いは、日常に小さな非日常をもたらしてくれます。東伏見稲荷神社は、都心からもアクセスしやすい場所にありながら、伝統と自然が調和した、とても魅力的な場所でした。
旅程
東京
↓(スクーター)
下野谷遺跡公園
↓(徒歩)
↓(徒歩)
東伏見公園
↓(スクーター)
東京
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