本日、静岡市にある久能山東照宮を訪れました。雲ひとつない快晴に恵まれ、どこから眺めても景色が澄んでおり、まさに旅日和でした。久能山東照宮は徳川家康を祀る神社で、駿府城で生涯を終えた家康の遺骸が、まずこの地に埋葬されたことから始まります。現在では日光東照宮に改葬されたとされますが、ここ久能山も家康信仰の原点として重要な場所です。
私はまず、日本平からロープウェーに乗って久能山へと向かいました。眼下に広がる駿河湾と、遠くに霞む伊豆半島の連なりが見渡せ、空中散歩のような時間を楽しみました。
山頂に着くと、朱塗りの楼門が出迎えてくれ、その先に続く唐門や神庫、そして拝殿へと進みました。
唐門は極彩色の装飾が見事で、細部まで丁寧に手が加えられており、江戸初期の建築技術と美意識を感じさせてくれます。
参拝を終え、廟門を抜けて家康公の神廟に向かいました。緑に囲まれた静かな空間に建つこの神廟は、厳かな雰囲気を湛え、かつての天下人にふさわしい風格がありました。歴史の中の人物が実際に眠っている場所に立つと、不思議と時間の流れを越えた感覚になります。
参拝後は、敷地内にある久能山東照宮博物館も見学しました。家康ゆかりの甲冑や武具、書状などが展示されており、当時の空気を感じさせる品々に見入ってしまいました。特に家康の遺愛品とされる品々には、彼の趣味や人柄の一端を感じ取ることができました。
予定ではここで再びロープウェーで日本平へ戻るつもりでしたが、時間に少し余裕があったため、ふと思い立って表参道を歩いて下ることにしました。約千段といわれる石段の参道は、かつては家康の遺体を運ぶ際にも使われたという由緒ある道です。最初は体力的に不安もありましたが、緩やかに下る道は思いのほか楽で、途中の海を望む景色が美しく、足取りも軽やかになりました。
無事に久能海岸までたどり着くと、広がる水平線と松林が織りなす風景が広がっており、思わず深呼吸をしました。そして、その景色に後押しされるように、再び表参道を登り直し、久能山東照宮に戻るという贅沢な往復参拝となりました。ふだんはロープウェーに頼りがちですが、こうして自分の足で参道を歩くことで、より深くこの地と向き合えたような気がします。
最後は再びロープウェーに乗り、日本平へと戻りました。1日の終わりに、山上から見下ろす駿河の海と、そこに浮かぶ夕陽が印象的で、静かにこの旅を締めくくってくれました。歴史と自然が融合した久能山東照宮の1日は、心にも身体にも豊かな時間となりました。
旅程
東京駅
↓(新幹線)
静岡駅
↓(バス)
日本平ロープウェイ・バス停
↓(ロープウェイ)
日本平ロープウェイ 久能山駅
↓(徒歩)
↓(徒歩)
日本平ロープウェイ 久能山駅
↓(ロープウェイ)
日本平ロープウェイ
↓(バス)
静岡駅
↓(徒歩)
↓(徒歩)
静岡浅間神社
↓(徒歩)
賤機山城
↓(徒歩)
臨濟寺
↓(徒歩)
静岡駅
↓(新幹線)
東京
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