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平和記念公園(広島):千羽鶴の祈りとともに、祈りの火が灯る場所で、平和の尊さを感じる旅

今日は一泊二日の広島観光の二日目です。まず、広島平和記念資料館が朝早くから開館しているので、平和記念公園(へいわきねんこうえん)に向かいました。

広島の平和記念公園は、広島市の中心部に位置する、世界的に知られる平和の象徴です。1945年(昭和20年)8月6日、広島に原子爆弾が投下され、多くの命が奪われました。その惨禍を後世に伝え、再び同じ過ちを繰り返さないという願いから、この公園は造られました。現在では、国内外から多くの人が訪れ、静かに祈りを捧げたり、平和の大切さについて思いを巡らせたりする場所となっています。

園内にある原爆ドームは、もともと広島県産業奨励館という名前の建物でした。原爆による爆風で壊滅的な被害を受けながらも、外壁の一部が残り、その姿は今も当時の惨状を物語っています。1996年(平成9年)にはユネスコの世界遺産にも登録され、広島の、そして世界の平和への願いを象徴する存在となりました。

もうひとつ、訪れた人が必ず足を運ぶのが「広島平和記念資料館」です。ここでは、被爆の実態を伝える写真や遺品、被爆者の証言が数多く展示されています。実際に見てまわると、その生々しさに胸が締めつけられるような思いがこみ上げてきます。改めて、核兵器の恐ろしさと平和の尊さを深く実感できる場所です。

公園の中央には、「原爆死没者慰霊碑」があります。この碑には、「安らかに眠ってください 過ちは繰返しませぬから」という有名な言葉が刻まれています。この言葉に立ち止まり、静かに手を合わせる人の姿が絶えません。そのすぐ先には「平和の灯」が灯されています。この灯火は、核兵器がこの世から完全になくなる日まで消さないと誓われており、昼も夜も静かに燃え続けています。

また、園内には「原爆の子の像」もあります。これは、原爆で被ばくし、のちに白血病で亡くなった佐々木禎子(ささき さだこ)さんという少女をモデルにした像です。千羽鶴を折り続けて回復を願っていた彼女のエピソードは世界中に知られ、像のまわりには今でも多くの千羽鶴が捧げられています。子どもたちの未来を守りたいという思いが、形になって表れている場所だと感じます。

平和記念公園の敷地内は緑も豊かで、四季折々の風景も楽しめます。春には桜が咲き誇り、夏にはセミの声が響き渡り、秋には落ち葉が舞い、冬には凛とした空気の中で静かな時間が流れます。そうした自然の中で歩きながら、過去に思いを馳せ、未来を考えることができるのも、この場所の大きな魅力です。

広島に行く機会があれば、ぜひ一度足を運んでみてください。ただの観光地ではなく、心に深く残る体験になるはずです。そしてその体験は、平和という言葉の重みを、より現実的に、より個人的に、感じさせてくれることでしょう。

旅程

ホテル

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平和記念公園

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広島城

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ひろしま美術館

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(略)

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