阮朝王宮(グエンちょうおうきゅう)のあと、ティエンムー寺にバスで向かいました。
ティエンムー寺(Thiên Mụ Pagoda、天母寺とも表記)は、ベトナム中部フエ(Huế)近郊、フーン川(香河、Hương River)沿いに位置する歴史的な仏教寺院で、フエを訪れる観光客にとって非常に有名なスポットのひとつです。
ティエンムー寺は1601年、グエン氏(阮氏)の初代藩主であるグエン・ホアン(阮潢)によって創建されました。当時、この地には「天から遣わされた母神が訪れ、国の安寧と繁栄を告げる」という伝説があり、そこから「天母(ティエンムー)」の名が由来したと言われています。
その後、阮朝(1802~1945年)時代にかけて、ティエンムー寺は王家の保護を受けながら増改築が進められ、フエの仏教文化や精神生活の中心的存在となりました。
境内のシンボルである「フエの塔(Phước Duyên tower、テュ・ドゥック塔とも)」は高さ約21メートル、八角形の7層構造で、1844年に建てられました。この塔はフエのランドマークとしても知られ、境内に入る前から香河の対岸からも美しくそびえ立つ姿を望むことができます。
塔の背後には本堂や僧房、美しい庭園が広がっており、敷地内には多くの仏像や歴史的遺物が点在しています。特に、静かで穏やかな雰囲気は訪れる人々に安寧を与え、フエならではの閑寂な風情を感じることができます。
1960年代には、ティエンムー寺は仏教徒による政治的・社会的抗議の拠点にもなりました。当時の南ベトナム政権による仏教弾圧に抗議する僧侶達が集まった場所として、国際的な注目を集めました。また、1963年に首都サイゴン(現ホーチミン市)で焼身自殺を行ったティック・クアン・ドック(Thích Quảng Đức)師の乗っていた自動車が、ティエンムー寺内に展示されています。
寺院を訪れる際は、過度に露出のある服装を避け、静粛な態度で参拝することが望まれます。また、写真撮影は基本的に自由ですが、僧侶や他の参拝者の迷惑にならないよう配慮が必要です。
ティエンムー寺は、ベトナムの歴史・文化・精神性を体感できる貴重な場所であり、その美しい建築やフエ独特の静寂な風景、さらにはベトナム近代史における象徴的な出来事とのゆかりなど、多面的な魅力を秘めています。フエを訪れる際は、ぜひ足を運んでみることをおすすめします。
旅程
ホテル
↓(観光バス)
ダナン駅
↓(南北統一鉄道/観光列車)
フエ駅
↓(観光バス)
(昼食)
↓(観光バス)
↓(観光バス)
↓(観光バス)
↓(観光バス)
ホテル(ホイアン)
関連イベント
周辺のスポット
地域の名物
- ブンボーフエ
- フォー
- アオザイ
コメント
コメントを投稿