諏訪の一日を「諏訪大社」を軸に組み立てて歩きました。
下社の秋宮と春宮を参拝し、片倉館などにも立ち寄りながら上社へ向かおうとしたのですが、地図で見る以上に距離があり、途中で迷わずタクシーに切り替えました。まず前宮を参拝し、その流れのまま本宮へ。諏訪は一つの社に参れば終わりではなく、土地の広がりそのものが信仰のスケールを物語っているように感じます。
本宮の東側から近づくと、小さな鳥居と社が目に入り、案内図には蠶玉神社とありました。大社の境内に点在する摂社・末社は、古くから地域の暮らしや生業と結びつきながら信仰を支えてきた存在でもあります。
さらに進むと赤い立派な門が見え、惹かれるままに鷲峰山法華寺を先に見学しました。寺からは本宮の三之御柱が望め、諏訪の象徴である御柱が、境内の外からでも確かな存在感を放っていました。諏訪大社の御柱祭は、社殿を持たなかった古い神社の形を今に伝えるともいわれ、巨木を曳き建てる豪壮さの奥に、自然への畏敬を中心に据えた信仰の原型が見えてくるようです。
二之御柱を見たあと境内に入ると、正面には巨大な鳥居が構え、その傍らには石に刻まれた「諏訪大社本宮」の文字がありました。タクシーの運転手さんから「総理大臣の揮毫だ」と教わったものの、どなたの筆だったかは思い出せません。それでも、旅先でこうした由来を聞くと、目の前の風景が急に歴史の層を帯びて立ち上がってくるのが面白いところです。参拝を終えると、森の気配が濃い境内にしばらく身を置き、ここが単なる観光地ではなく、古くから人々が祈りを重ねてきた場所なのだと静かに実感しました。
その後は再びタクシーで上諏訪駅へ戻る予定でしたが、少し時間が余っていることを伝えると運転手さんが高島城を勧めてくれました。せっかくの機会なので城で降ろしてもらい、旅の締めくくりに城下の景色まで味わうことができました。歩いて、迷って、乗り物を使い、寄り道に導かれる。諏訪の旅は、予定通りに進まないからこそ、土地の奥行きが身体に残る一日になりました。
旅程
(略)
↓(徒歩)
諏訪市湖畔公園
↓(徒歩)
↓(徒歩)
(略)
↓(タクシー)
鷲峰山法華寺
↓(徒歩)
↓(タクシー)
↓(徒歩)
↓(徒歩)
上諏訪駅
コメント
コメントを投稿