午前中は、東海道五十三次の宿場町として知られる二川宿を訪ね、その静けさと往時の面影を堪能しました。午後には足を新居に移し、新居関所で幕府の厳しい関所制度の痕跡に触れたあと、歩を進めたのが旅篭紀伊国屋資料館でした。
資料館の扉をくぐると、そこにはかつての旅人たちがひと時の安らぎを得た空間が、丁寧に保存されていました。まず目に入ったのは、角まくら。現代人の感覚では寝苦しそうにも思えるその形に、当時の人々の暮らしの質素さや所作の美しさが垣間見えました。
客の間には、担い箱(にないばこ)が置かれており、旅人が荷物とともに宿に入る情景が自然と頭に浮かびます。
台所には、使い込まれたかまどがあり、湯気の立ちのぼる様子や煮炊きの音まで聞こえてきそうでした。
そして桶型の風呂は、木の香りが残るようで、心まで温まるような雰囲気を醸していました。
建物の奥には日本庭園があり、その一角には水琴窟が設けられていました。耳を澄ますと、涼やかな音がかすかに響き、庭の静けさと相まって、旅の疲れを癒すような空間となっていました。
床の間には季節の掛け軸が飾られ、旅籠としての格式と、もてなしの心が伝わってきました。
江戸の旅を追体験できるこの資料館は、関所とともに訪ねることで、旅と統制が交差する時代の空気をより深く感じることができます。今も残る旅人の記憶に、少しだけ寄り添うことができた一日でした。
旅程
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