先月深川を探索したときの資料を見直していて、松尾芭蕉が深川に住んでいて資料館もあることが分かり、本日は再度深川探索をしてきました。
まずは、 芭蕉庵史跡展望庭園(ばしょうあんしせきてんぼうていえん)に向かいました。
庭園に向かう小名木川(おなぎがわ)沿いの道には芭蕉の句のモニュメントがいくつか並んでいます。
芭蕉庵史跡展望庭園は、江東区深川エリアにある、俳人・松尾芭蕉ゆかりの地をしのぶ庭園施設で、芭蕉が晩年を過ごした「芭蕉庵」の跡地近くに整備されています。
松尾芭蕉は元禄時代に深川(現在の江東区一帯)に草庵を結び、ここを拠点に多くの名句を生み出しました。
「芭蕉庵」は正式には現存せず、その跡地も確定的ではありませんが、現在の芭蕉記念館周辺から、隅田川・小名木川など水辺と近しい環境が当時の情趣を物語っています。芭蕉庵史跡展望庭園は、この芭蕉庵ゆかりとされる一帯に位置し、来訪者が芭蕉の暮らした風土を体感し、芭蕉や江戸期の景観に思いをはせる空間として設けられました。
名前に「展望庭園」とある通り、敷地内には眺望スポットがあり、周辺地域や水辺の風景を見渡すことが可能です。かつて芭蕉が眺めたであろう風情や水運を想起しながら、江戸情緒に浸ることができます。
江戸時代の風情とは異なりますが、展望庭園から見える清洲橋はドイツのケルンに架けられたライン河の吊橋をモデルにしています。
庭園内は、石碑や句碑、簡素な茶亭風の施設、植栽などが配されており、芭蕉が好んだ閑静な環境を模した趣深い空間です。特に、樹木や草花、石組などによる和風庭園的な演出は、喧噪の都市空間とは一線を画し、静かなひとときを過ごせます。
入り口には、「奥の細道」の旅を終えた50歳の芭蕉が1693年(元禄6年)に詠んだ「川上とこの川下や月の友」という一句が掘られた句碑があります。平成20年に住友セメントシステム開発会社が同敷地内に作ったものを平成24年に寄贈されました。
園内には芭蕉にまつわる説明板や俳句の紹介、江戸期の地図や資料を示すコーナーもあり、単なる風景鑑賞にとどまらず、芭蕉の足跡や創作世界をより深く理解する助けとなります。また、庭園と芭蕉記念館を合わせて訪ねることで、芭蕉と深川の関わり、当時の生活背景、俳諧文化の源流などを総合的に学ぶことができます。
季節の移ろいを感じやすい庭園です。春は花、夏は緑陰、秋は紅葉の色づきなど、四季折々の表情を楽しむことができます。
水辺近くの開放的なロケーションでありながら、園内は静かな雰囲気で、句作や読書、散策に適した空間となっています。
芭蕉庵史跡展望庭園は、深川に根付いた芭蕉の文化的遺産を、現在の風景の中に再発見できるスポットです。芭蕉の生きた時代に思いを馳せながら、文学的・歴史的な散策を楽しめる、江東区の落ち着いた名所といえるでしょう。
旅程
清澄白河駅
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