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来遠橋(日本橋):歴史の架け橋、屋根付きの橋に秘められた物語

フーンフンの家のすぐ東にあるのが来遠橋(らいえんばし)です。

ホイアンの来遠橋は、日本とベトナムの歴史的なつながりを象徴する建築物であり、16世紀末から17世紀初頭にかけて建設されました。この橋は、かつて国際交易で栄えたホイアンに日本人街と中国人街を結ぶために架けられたもので、今日ではホイアン旧市街のランドマークとして知られています。「日本橋」という別名でも親しまれている来遠橋は、その美しい建築様式と文化的意義から、世界中の観光客を魅了しています。

来遠橋の最大の特徴は、屋根付きの木造構造にあります。日本の伝統的な建築様式を基調としながらも、中国やベトナムの建築要素が巧みに融合され、独特の美しさを生み出しています。橋の欄干や屋根には細かい彫刻が施されており、当時の職人たちの卓越した技術を見ることができます。橋の中央には小さな祠(ほこら)が設置されており、ここには航海や交易の安全を祈るために道教の神である北帝真君が祀られています。この祠は、当時の人々が日常的に船旅や交易に伴う危険と向き合っていたことを物語っています。

また、来遠橋の歴史的背景を知ることで、ホイアンという町の特異性がより深く理解できます。16世紀から17世紀にかけて、ホイアンは日本、中国、ヨーロッパなどさまざまな国との交易が行われる国際港町として発展しました。その中で、来遠橋は日本人移住者が地域社会に溶け込み、他文化との交流を深めていた証として建設されたのです。名前にある「来遠」という言葉には、「遠くから来る」という意味が込められており、海外から渡ってきた人々や交易を象徴するものと考えられています。

1999年にはホイアン旧市街全体がユネスコの世界文化遺産に登録され、来遠橋もその一部として世界的に認知されるようになりました。この橋は単なる観光名所ではなく、ホイアンの歴史や文化を伝える重要な遺産でもあります。訪れる際には、橋を歩くだけでなく、その背景にある物語や人々の営みに思いを馳せてみると、より深い感動を得られるでしょう。

来遠橋はホイアン旧市街の中心部に位置しており、アクセスも非常に便利です。旧市街全体が観光地として整備されているため、チケットを購入すれば橋だけでなく周辺の歴史的建造物や博物館も楽しむことができます。特に早朝や夕方は混雑が少なく、橋の静かな佇まいをじっくりと味わえる時間帯としておすすめです。

ホイアンを訪れる際には、ぜひ来遠橋を観光プランに加えてみてください。歴史と文化が交錯するこの橋は、きっと忘れられない旅の思い出を彩る場所となるでしょう。

旅程

ホテル

↓(徒歩)

フーンフンの家

↓(徒歩)

来遠橋(日本橋)

↓(徒歩)

徳賽寺

↓(徒歩)

バムー寺の門

↓(徒歩)

貿易陶磁博物館(海のシルクロード博物館)

↓(徒歩)

福建会館

↓(バス)

ミーケビーチ

↓(バス)

ドラゴンブリッジ

↓(バス)

ダナン空港

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地域の名物

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