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11月, 2017の投稿を表示しています

フラメンコ/Palau del Flamenc:カスタネットが鳴り響く街の片隅で

バルセロナ滞在の夜、夕食を兼ねてフラメンコ劇場「Palau del Flamenc」を訪れました。昼間はガウディ建築や旧市街を歩き回り、観光の余韻を感じながら迎えた夕方、劇場の入り口には、スペインらしい情熱的な雰囲気が漂っていました。 開演前には、フラメンコの簡単なレッスンがありました。講師がステップを踏みながら手拍子のリズムを教えてくれるのですが、大人たちは少し照れくさそうに見ているだけで、なかなか参加しようとしません。僕もその一人でした。しかし、他の家族連れの子どもたちは、恥ずかしさなど気にせず楽しそうに体を動かしていて、その姿がとても微笑ましく、スペインの陽気さを感じる瞬間でした。 レッスンが終わると、劇場内へと案内されました。テーブルには食事が並び、観客はワインや料理を楽しみながら舞台を待ちます。やがて、ギターの音色が響き、舞台上にダンサーが登場しました。床を強く打ち鳴らす足音、指先まで神経が通った手の動き、そして胸の奥から響くような歌声。すべてが一体となって、観る者の心を揺さぶります。 フラメンコは、もともとアンダルシア地方で生まれた芸術で、ロマ(ジプシー)文化やアラブ、ユダヤ、スペインの民謡など、さまざまな文化の交わりから生まれたといわれています。悲しみや誇り、情熱といった感情を音楽と踊りで表現するこの芸術は、スペインの魂そのもののように感じられました。 バルセロナの夜に響くカスタネットの音と、舞台を照らす橙色の光。観光地のにぎわいとはまた違う、スペインの「心」に触れる時間でした。観光の一日を締めくくるには、これ以上ないほど印象的な夜でした。 旅程 (略) ↓(徒歩) リベルタト市場 ↓(徒歩) カサ・ビセンス ↓(徒歩) グエル公園 ↓(徒歩) サンタ・エウラリア大聖堂 ↓(徒歩) Palau del Flamenc(フラメンコ) ↓(徒歩) ホテル 周辺のスポット カサ・ミラ カサ・バトリョ カサ・アマトリェール 地域の名物 ガスパッチョ パエーリャ シェリー酒 リンク Palacio del Flamenco Flamenco Shows Experience | Flamenco Palau Dalmases | Barcelona

サンタ・エウラリア大聖堂:ゴシックの玄関先で息を整え、情熱の舞台へ向かう夕方

バルセロナを歩いていた本日、体調は万全ではありませんでした。 市場で果物をつまみ、街角に現れるガウディの建物を眺めながら、ゆっくりとした足取りでゴシック地区へ向かいました。 サンタ・エウラリア大聖堂の前に着くと、広場は観光客でにぎわっていましたが、正面の影がちょうど良い休憩所となり、私は階段に腰掛けて外観の装飾をしばらく見上げました。尖塔は空へ細く伸び、正面ポータルには繊細なレースのような彫刻が重なり合い、バラ窓の周りには聖人たちが列をなしていました。体力が落ちているときほど、静かに眺めるだけの時間が贅沢に感じられます。 この大聖堂は「聖十字架と聖エウラリア」に捧げられた教会で、起源は中世にさかのぼります。現在のゴシック様式の骨格は13~15世紀に整えられ、都市の繁栄とともに増改築が重ねられてきました。守護聖人エウラリアは若くして殉教したと伝えられ、内部の地下には彼女にゆかりの場所があり、回廊では彼女の年齢を象徴する白いガチョウが世話されていることで知られています。外観は中世の意匠を尊重しながら後世に整えられた部分もあり、長い時間を積み重ねた都市の記憶そのもののように感じられます。 残念ながらこの日は体調がすぐれず、内部拝観は見送りました。当時は「また今度でいいか」と思ってしまいましたが、今振り返るとやはり勿体なかったです。石の肌理や彫像の表情、ゴシックの陰影は、扉の向こうでどれほど豊かな世界を見せてくれたのだろう――そう想像しながら、私は広場の風をしばらく浴びていました。ひと息ついたあと、予約していたフラメンコの劇場へ向かいました。あの夜の情熱的なリズムと、昼間の静かな聖堂前の時間は、同じ街の振り幅として今も記憶に残っています。次にバルセロナを訪れるときは、必ず扉をくぐり、聖人の物語と石造りの時の流れに、正面から向き合いたいと思います。 旅程 (略) ↓(徒歩) リベルタト市場 ↓(徒歩) カサ・ビセンス ↓(徒歩) グエル公園 ↓(徒歩) サンタ・エウラリア大聖堂 ↓(徒歩) Palau del Flamenc(フラメンコ) ↓(徒歩) ホテル 周辺のスポット バルセロナ市歴史博物館 サンタ・マリア・ダル・ピ教会 地域の名物 ガスパッチョ パエーリャ シェリー酒 リンク バルセロナのカテドラル、サンタエウラリア大聖堂、徹底解説 | 2025年 バルセロナ観光 フ...

グエル公園:ガウディの夢が息づく未完の理想郷、丘の上の芸術空間

スペインのバルセロナに観光に来ました。ガウディの作品群を中心に廻り、グエル公園に来ました。 バルセロナの街の北側に広がる小高い丘の上に、グエル公園という不思議な魅力を持つ場所があります。ここは、スペインの天才建築家アントニ・ガウディが手がけた独特な芸術空間で、世界中から訪れる観光客の目を楽しませています。自然と建築が見事に調和し、まるでおとぎ話の中に迷い込んだような感覚を味わえる場所です。 この公園はもともと、実業家エウセビ・グエルがガウディに依頼して開発された住宅地として計画されました。しかし、商業的には成功せず、わずか数軒の住宅が建てられただけで計画は中断されます。その後、未完成のまま残された敷地が市によって買い取られ、公園として整備されたのです。 公園内にはガウディらしい有機的な曲線やモザイクタイルがふんだんに使われています。特に有名なのが、カラフルな破砕タイルで飾られたトカゲの噴水「ドラゴン」や、蛇のようにうねる長いベンチが特徴的な「ギリシャ劇場(現在の中央広場)」です。これらの造形は、機能性だけでなく、視覚的な美しさと自然との調和を追求したもので、ガウディの自然への深い敬意が表れています。 また、公園内にはガウディが実際に住んでいた家も残っており、現在はガウディ博物館として公開されています。家具や日用品もガウディのデザインによるもので、彼の生活や創作の一端を垣間見ることができます。 グエル公園は、1984年にユネスコ世界遺産に登録され、その芸術的・歴史的価値が世界的に認められました。訪れるたびに新しい発見があり、ガウディの世界観にじっくりと浸ることができます。静かに広がる松林や小道を歩きながら、視線の先に現れる不思議な建築物を眺めていると、まるで夢の中にいるかのような気持ちになることでしょう。 バルセロナを訪れる際には、サグラダ・ファミリアと並んで、このグエル公園もぜひ立ち寄りたい名所のひとつです。喧騒を離れ、芸術と自然の融合を肌で感じながら、ガウディが残した幻想的な世界に身を委ねてみてはいかがでしょうか。 旅程 (略) ↓(徒歩) リベルタト市場 ↓(徒歩) カサ・ビセンス ↓(徒歩) グエル公園 ↓(徒歩) サンタ・エウラリア大聖堂 ↓(徒歩) Palau del Flamenc(フラメンコ) ↓(徒歩) ホテル 周辺のスポット カサ・ビセンス サグラ...

カサ・ビセンス:ドット絵のような家とすれ違う

バルセロナ観光の2日目にカサ・ビセンスを訪れました。街なかでガウディ建築を拾い集めるように歩きながら、最終的にはグエル公園へ向かうルートです。その途中で立ち寄ったのが、グラシア地区に建つカサ・ビセンスでした。 ガウディといえば、サグラダ・ファミリアやカサ・ミラのように、うねる曲線や有機的なフォルムを真っ先に思い浮かべます。ところが目の前の建物は、意外なほど「かくかく」していました。直線と面が強く、どこかドット絵やレゴで組み立てた家のようにも見えます。後から知ったのですが、カサ・ビセンスはガウディの初期を代表する作品で、彼の最初期の大きな仕事として位置づけられています。直線が前に出る時期があったからこそ、のちの“ガウディらしさ”がいっそう際立つのだと、外観だけでも十分に納得できました。 この建物は19世紀末、ヴィセンス家の夏の住まいとして1883〜1885年に建てられました。イスラム建築などの影響を感じさせる装飾性やタイル使いが特徴で、いわゆる「曲線のガウディ」に至る前の実験場のようにも見えてきます。いま自分が“ガウディ像”だと思い込んでいるものが、実は後年の到達点なのだと気づかされる体験でした。 当日は残念ながら中に入りませんでした。実はカサ・ビセンスは2017年11月に一般公開が始まったばかりで、私が行ったのはまさにその直後です。せっかくなら内装まで見ておけばよかった、と後になって強く思いました。ユネスコ世界遺産「アントニ・ガウディの作品群」の一部として登録されていることを考えると、外観だけで通り過ぎてしまったのは、少しもったいない散歩だったかもしれません。 それでも、グエル公園へ向かう道中で「ガウディ=曲線」という先入観を一度壊してくれたこと自体が、この日の収穫でした。バルセロナでは、同じ建築家の作品でも時期によって表情がまったく違います。カサ・ビセンスは、ガウディの“始まり”を街角でふいに見上げられる場所として、歩き旅のリズムを変えてくれる一軒でした。 旅程 (略) ↓(徒歩) リベルタト市場 ↓(徒歩) カサ・ビセンス ↓(徒歩) グエル公園 ↓(徒歩) サンタ・エウラリア大聖堂 ↓(徒歩) Palau del Flamenc(フラメンコ) ↓(徒歩) ホテル 関連スポット アントニ・ガウディの作品群 グエル邸 グエル公園 カサ・ミラ サグラダ・ファミリアの...

バルセロナ凱旋門:旅の疲れを癒やす、バルセロナのあたたかな陽射し

バルセロナの初日、11月とは思えないほど暖かな日差しのもと、私は観光の道を歩き始めました。サグラダ・ファミリアの壮麗な姿に圧倒され、建築と信仰が織りなす空気を味わった後、次に目指したのはバルセロナ凱旋門です。 バルセロナ凱旋門は、1888年のバルセロナ万国博覧会の際に建設されました。多くの都市に凱旋門がありますが、バルセロナのものは赤レンガ造りで、やわらかい曲線と精緻な装飾が特徴的です。威厳を持ちながらも、どこか親しみやすさを感じさせる佇まいが魅力だと、訪れるたびに感じます。周囲には広い歩道と並木道が続き、市民や観光客が思い思いに過ごしていました。 しかし、その日の私は少し体調が優れませんでした。もしかしたら旅の疲れか、風邪を引いたのかもしれません。凱旋門の前に広がるリュイス・コンパニス通りにはいくつかベンチが設けられており、私はその一つに腰を下ろしました。目の前にそびえる凱旋門をゆっくり眺めながら、時折そよぐ風に身をまかせていると、心も身体も少しずつほどけていくような感覚に包まれました。温かな陽気に誘われて、ベンチの上でしばらくうとうとしてしまったのも、旅先ならではの贅沢な時間だったと思います。 しばらく休息をとったことで体調も戻り、再び歩き出す元気が湧いてきました。次に向かったのはサンタ・カテリナ市場。カラフルな波打つ屋根が印象的なこの市場では、地元の人々が活気に満ちた声を響かせ、新鮮な食材やバルの香りが漂っていました。 バルセロナ凱旋門は、歴史的な記念碑であると同時に、市民の日常に寄り添う憩いの場所でもあります。観光地としての賑わいと、静かな時間が同居するこの場所で過ごした午後は、私にとってバルセロナの街の温かさや包容力を実感させてくれる、忘れがたい思い出となりました。 旅程 (略) ↓(徒歩) バルセロナ凱旋門 ↓(徒歩) ホテル 地域の名物 ガスパッチョ パエーリャ シェリー酒 リンク Arc de Triomf, Barcelona:街の象徴であるランドマークと豊かな歴史に浸る 凱旋門のBarcelona | spain.info 凱旋門を訪れる:バルセロナの象徴的モニュメントとランドマークガイド - サグラダ・ファミリア・バルセロナ