プラハ観光の二日目は「街の東側から攻めよう」と思い、まず火薬塔(プラシュナー・ブラーナ)を目指しました。ゴシックの黒っぽい塔が視界に入ってきて、「いよいよ旧市街の入口だな」と気分が上がった瞬間、ふと横を見ると、中央にドームを載せた、どこか優雅で少し古そうな建物が並んでいました。要塞のような火薬塔とはまったく違う雰囲気で、石造りなのに軽やかに見えるのが不思議でした。
地図を開くと “Municipal House” と表示されていて、「市営の家?」と直訳ではピンと来ませんでしたが、調べてみると日本語では「プラハ市民会館(オベツニー・ドゥーム)」として知られる建物だと分かりました。名前の通り、いまもコンサートや式典、展覧会などが行われる“市民のための文化施設”で、プラハを代表するアール・ヌーヴォー(チェコではセセッション)建築の一つだそうです。
正面に回り込むと、入口上部に大きな装飾画(モザイク)が据えられていて、建物全体の「芸術で迎え入れる」意思が一目で伝わってきました。外壁の曲線や装飾も細かく、近づくほど情報量が増えるタイプの建築です。市民会館は20世紀初頭に建設され、1903年の設計競技を経て、アントニーン・バルシャーネクとオスヴァルト・ポリーフカが中心となって計画が進められた、と公式側でも紹介されています。
さらに印象的なのは、この建物が“きれいな文化施設”に留まらない点です。第一次世界大戦末期の民族運動の舞台となり、1918年10月28日にはバルコニーでチェコスロヴァキア共和国の成立が宣言された、とされています。観光で何気なく通りかかった建物が、国家の節目の現場でもあったと思うと、建物の見え方が急に変わってきます。
このときは残念ながら中に入らなかったのですが、あとで写真や紹介を見て「入れるなら中も見ておけばよかった」と素直に後悔しました。内部にはスメタナ・ホールという大ホールがあり、装飾やステンドグラス、画家アルフォンス・ミュシャらの作品を含む室内意匠も見どころだといわれます。外観だけでも十分に満足感があるのに、内側に“本体”があるタイプの建築だったのだろう、と今になって思います。
火薬塔の重厚な中世の空気と、市民会館の華やかな20世紀初頭の空気が、同じ場所で並び立っているのもプラハらしさでした。時代の層がそのまま街並みに折り重なり、歩いているだけで歴史のページをめくっているような感覚になります。次にプラハを訪れることがあれば、今度は外観を眺めるだけで終わらせず、内部のホールや展示、そして“この場所で起きた出来事”の気配まで含めて、もう一段深く味わってみたいです。
旅程
(略)
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火薬塔(The Powder Tower)
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Prague New City Hall
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Old Town Bridge Tower
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- The Powder Tower
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