朝から滋賀で延暦寺や三井寺を巡り、帰りの新幹線まで少し時間が余ったので、京都駅から近い東寺へ立ち寄りました。限られた時間でも「京都らしさ」を一気に感じられる場所として、東寺は本当に強い味方だと思います。
東寺は正式には教王護国寺といい、平安京の南の玄関口・羅城門の東側に、都と国家を護る寺として創建されたのがはじまりです(796年/延暦15年)。のちに嵯峨天皇から空海(弘法大師)へ下賜され、真言密教の根本道場として今日まで続いています。
この日は、閉館が早めになりやすい観智院を先に見学しました。観智院は東寺の塔頭で、真言宗の勧学院、いわば“研究機関”のような役割を担ってきた場所です。創建に関わった学僧や、ここに伝わる教学の蓄積を思うと、単なる「別院」ではなく、東寺の知の心臓部の一つなのだと感じます。
観智院では枯山水の庭がとくに印象に残りました。白砂がきれいに整えられ、短い滞在でも空気がすっと澄んでいくようでした。近年整えられた庭も含め、静けさを“形”にしたような空間で、旅の速度がいったん落ち着く感覚があります。
その後はいったん北大門を通って伽藍へ戻り、御影堂、金堂、五重塔、南大門とテンポよく回りました。
東寺の中心となる金堂は、創建当初からの中核として位置づけられ、現在の堂は桃山期に再建されたものです。短時間の拝観でも、建物の量感が「官寺として都の正面に立つ」寺の格をはっきり伝えてきます。
そして、やはり五重塔は別格でした。京都駅前のビル群が視界に入る場所で、木造の塔がすっと立ち上がっている対比が鮮烈です。高さは約55メートルで日本一高い五重塔とされ、現在の塔は1644年に再建されたものだそうです。
五重塔の北側には池があり、快晴だったこの日は水面に塔がきれいに映っていました。ほんの一瞬でも、風景が完成する瞬間に立ち会えると、急ぎ足の予定が報われます。
今回は30分強しかなく、一つ一つを丁寧に追いきれませんでした。それでも、都の入口を護ってきた歴史の骨格と、観智院の静謐な庭の手触りを同じ日に持ち帰れたのは大きかったです。次は講堂や宝物館の時間も確保して、東寺を“密教の道場”としてもう少し深く味わいに来たいと思います。
旅程
(略)
↓
日吉大社
↓(徒歩)
坂本比叡山口駅
↓(京阪石山坂本線)
三井寺駅
↓(徒歩)
↓(徒歩)
大津市歴史博物館
↓
(中略)
↓(徒歩)
↓(徒歩)
京都駅
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