福島県郡山市の開成山大神宮を訪れました。
この日は、はっきりとした大きな目的があったわけではなく、なんとなく郡山市まで足を延ばした一日でした。朝から郡山の町を歩き、まずはこおりやま文学の森資料館を見学しました。その後、近くにある開成山公園に立ち寄り、その流れで開成山大神宮へ向かいました。
開成山公園は、郡山市の中心部にあるとは思えないほど広々とした公園でした。園内を歩いていると、都市の中にありながら、ゆったりとした余白を感じます。その広さの印象が強かったためか、地図で見ていた開成山大神宮の境内は、実際に歩いてみると、それほど広大には感じませんでした。公園の大きさに目が慣れてしまったのかもしれません。
開成山大神宮の入口に立つと、神門や拝殿は、朱塗りや派手な装飾ではなく、木の自然な色合いを生かした落ち着いた姿をしていました。新しさも感じる外観で、ひと目見ただけでは長い歴史を背負った神社という印象は強くありませんでした。ただ、あとから歴史を知ると、この場所が郡山という町の近代史と深く結びついていることが分かります。
開成山大神宮は、明治時代の安積開拓と関係の深い神社です。明治初期、この地域では安積原野の開拓が進められました。現在の郡山市の発展を考えるうえで重要な事業であり、猪苗代湖の水を引く安積疏水の開削とも結びついています。開成山大神宮は、そうした開拓に関わる人々の心の支えとなる場所として、伊勢神宮の御分霊を祀って創建されました。そのため、「東北のお伊勢さま」とも呼ばれています。
訪れた当日は、そこまでの背景をよく知らずに参拝していました。開成山公園の隣にある大きな神社、という程度の認識で境内に入ったのですが、後で安積疏水や安積開拓について知ると、この場所の見え方が少し変わりました。郡山は、古くから自然に大きな都市だったというよりも、明治以降の開拓と水利事業によって発展していった町です。その中心的な記憶の一つとして、開成山大神宮があるのだと考えると、境内の落ち着いた雰囲気にも別の意味が重なってきます。
拝殿の前まで進み、静かに参拝しました。華やかさよりも、まっすぐで素朴な印象のある社殿でした。木の色をそのまま残したような外観は、古色を強く感じさせるものではありませんでしたが、開拓の時代から地域の人々に大切にされてきた神社であることを思うと、見た目の新旧だけでは測れない歴史があるのだと感じます。
この日の郡山訪問は、文学館、公園、神社と、気の向くままに歩いた旅でした。最初から安積開拓をたどるつもりで来ていたわけではありませんでしたが、後になって郡山の歴史を知ることで、何気なく立ち寄った場所が一つの線でつながっていきました。旅先では、その場で理解できることよりも、後から調べて意味が深まることがあります。開成山大神宮も、まさにそのような場所でした。
参拝を終えたあとは、東京に戻るため郡山駅へ向かいました。大きな目的を決めずに訪れた郡山でしたが、あとから振り返ると、近代の開拓と水の歴史に触れる入口に立っていた一日だったように思います。
旅程
(略)
↓(徒歩)
こおりやま文学の森資料館
↓(徒歩)
↓(徒歩)
郡山駅
周辺のスポット
地域の名物
- 郡山ブラック(ラーメン)
関連スポット
- 安積疏水関連
コメント
コメントを投稿