トルコ・イスタンブール観光の初日に、旧市街にあるシルケジ駅を訪れました。昼頃に空港へ到着し、ホテルで少し休んだあと、まずはアヤソフィア方面へ向かうことにしました。その途中に古い駅舎があると知り、せっかくなので立ち寄ってみることにしました。
シルケジ駅は、かつてヨーロッパとイスタンブールを結ぶ鉄道の重要な終着駅でした。特に有名なのは、パリとイスタンブールを結んだオリエント急行の終着駅として知られていることです。現在の駅舎は1888年に礎石が置かれ、1890年に開業した建物で、ドイツ人建築家アウグスト・ヤスムントによって設計されました。ヨーロッパから列車でこの街に到着する人々にとって、ここはまさに「東方」への玄関口だったのだと思います。
私が入ったのは南側からだったため、最初はそこまで古い建物という印象はありませんでした。しかし中に入ると、中央に丸いガラス窓のある駅の内側が見え、外から見たときとは違う歴史ある空気を感じました。駅という実用的な場所でありながら、どこか劇場やホテルのロビーのような雰囲気もあり、長距離列車で旅をしてきた人々を迎えるための建物だったことが想像できます。
駅の一角には、鉄道に関する資料を展示したコーナーもありました。日本の鉄道博物館ほど大規模ではありませんが、駅の間取図が置かれた製図版、古い黒電話、駅のベル、制服などが並んでおり、イスタンブールの鉄道史を身近に感じられる空間でした。
シルケジ駅内にはイスタンブール鉄道博物館が置かれており、オスマン帝国から共和国時代にかけての鉄道に関する資料や道具類を見ることができます。
イスタンブールというと、アヤソフィアやブルーモスク、トプカプ宮殿のような壮大な歴史建築に目が向きがちですが、シルケジ駅にはまた別の近代史の入口があります。海を越えて、あるいはヨーロッパの都市から鉄道でこの街にたどり着いた人々にとって、ここは旅の終着点であり、同時にイスタンブールとの出会いの場所でもあったのでしょう。
この後、私は予定通りアヤソフィアへ向かいました。ただ、駅を出てからしばらくして、正面から駅舎の写真を撮り忘れていたことに気が付きました。後で撮りに戻ろうと思っていたのですが、結局その滞在中に再び訪れることはありませんでした。旅先では、こうした小さな撮り忘れが不思議と記憶に残るものです。
シルケジ駅は、単なる移動のための駅ではなく、ヨーロッパとイスタンブールを結んだ時代の記憶を残す場所でした。次にイスタンブールを訪れる機会があれば、今度は正面から駅舎をゆっくり眺め、オリエント急行の終着駅だった頃の面影をもう少し丁寧に感じてみたいと思います。
旅程
ホテル
↓(徒歩)
↓(徒歩)
↓(徒歩)
スルタンアフメット広場(ドイツの泉/テオドシウス1世のオベリスク/蛇の柱)
↓(徒歩)
↓(徒歩)
ホテル
コメント
コメントを投稿