スペインのバルセロナで、ガウディの建築をめぐる一日の途中にカサ・バトリョを訪れました。バルセロナの街を歩いていると、ガウディの建物は単なる観光名所というより、街並みの中に突然現れる不思議な生き物のように感じられます。カサ・バトリョもその一つで、十字路の角に立つ姿は、周囲の建物と並んでいながら、明らかに違う空気をまとっていました。
カサ・バトリョは、もともとあった建物を、20世紀初めにアントニ・ガウディが大きく改修したものです。依頼主は繊維業で成功したジュゼップ・バトリョで、当時のバルセロナでは、産業で財を成した人々が新しい建築を通じて自分たちの存在感を示していました。その舞台となったのが、今も華やかな通りとして知られるグラシア通りでした。
外観を見上げると、まず目に入るのは直線を避けるように作られた曲線の窓です。石や鉄、ガラスが硬い素材であることを忘れさせるように、窓まわりはやわらかく波打っていました。それぞれの窓の上部にはステンドグラスのような色彩があり、建物全体が光を受けて表情を変えるように見えました。屋根やファサードの色合いも独特で、ガウディが自然の形や生命感を建築に取り込もうとしたことが、外から眺めるだけでも伝わってきました。
すぐ隣には、また別の意味で印象的な建物がありました。最初はカサ・バトリョの存在感に目を奪われましたが、左側にあるドット絵のような装飾を持つ建物も強く記憶に残りました。あとで調べると、これはカサ・アマトリェールという建物で、カサ・バトリョより少し前に、建築家プッチ・イ・カダファルクによって改修されたものだそうです。ガウディとは違い、中世風の切妻屋根や幾何学的な装飾が目立ち、同じモデルニスモ建築でも表現の方向が大きく異なることが分かります。
この並びを見ていると、バルセロナの建築の面白さは、ガウディ一人の天才性だけではなく、同じ時代に複数の建築家や施主が競い合うように新しい表現を試していたところにあるのだと感じました。カサ・バトリョの曲線的で幻想的な外観と、カサ・アマトリェールの装飾的で少し中世風の外観が隣り合うことで、当時のバルセロナの活気がそのまま通りに残っているようでした。
残念ながら、このときはカサ・バトリョの内部には入りませんでした。今思うと、中央の吹き抜けや室内装飾も見ておけばよかったと思います。それでも、外から眺めただけで十分に強い印象を残す建物でした。窓の曲線、色ガラスのような装飾、隣に立つカサ・アマトリェールとの対比は、バルセロナの街が建築そのものを美術館にしているように感じさせてくれました。
その後、近くにあるカサ・ミラへ向かいました。ガウディの建築を続けて見ていくと、同じ建築家の作品でありながら、それぞれがまったく違う表情を持っていることに気づきます。カサ・バトリョは、その中でも特に街角に現れた幻想的な存在として、バルセロナらしさを強く感じさせる場所でした。
旅程
(略)
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カサ・リェオ・イ・モレラ
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リベルタト市場
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ホテル
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