ハンガリー・ブダペストのマーチャーシュ聖堂に行きました。
ブダペスト観光の2日目は、朝からブダ城周辺を歩いていました。ブダの丘の上は、ドナウ川沿いの市街地とは少し雰囲気が違い、観光地でありながら、歴史地区らしい落ち着きがありました。その中でも、少し離れた場所から塔が見えてくるマーチャーシュ聖堂は、周囲の建物の中でもひときわ目立つ存在でした。
私が向かったのは西側からでした。道の先に、白い石造りの大きな教会の塔が見え、近づくにつれてその存在感が増していきました。正面に立つと、中央には丸い大きなガラス窓があり、右側には高く伸びる塔、左側にはそれより低い塔がありました。全体としては白い外壁で統一されていますが、左側の塔の茶色を帯びた屋根だけが強く印象に残りました。高さでは右の塔の方が圧倒的なのに、屋根の色と形が視線を引きつけていて、建物全体のよいアクセントになっていました。
聖堂の前には、白い彫刻が重なり合うように作られた塔のようなモニュメントがありました。地図を見ると、Holy Trinity Statueと書かれていました。あとで調べると、これは三位一体像で、かつてのペスト流行を記憶するための記念碑でもあるようです。聖堂そのものだけでなく、広場全体が宗教的な空間であり、同時にブダの歴史を伝える場所になっているのだと感じました。
マーチャーシュ聖堂は、正式には「ブダ城の聖母教会」と呼ばれる教会で、現在の建物の基礎は中世にさかのぼります。マーチャーシュという名は、ハンガリー王マーチャーシュ1世に由来しています。教会は長い歴史の中で、王の戴冠式が行われる場所となり、またオスマン帝国支配下ではモスクとして使われた時期もありました。単なる美しい教会というだけでなく、ハンガリーの政治と宗教の歴史が重なってきた場所です。
特に19世紀には、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と皇妃エリザベートの戴冠式が行われ、20世紀初めには最後のハンガリー王となるカール4世の戴冠式も行われました。ブダ城地区の中心にあるこの教会は、国の歴史を象徴する舞台でもあったのだと思います。
ただ、当時の私は今ほど教会や宗教建築に関心がなく、中には入りませんでした。外観を眺め、周囲を一周して、隣にある漁夫の砦へ向かいました。今振り返ると、これはかなりもったいないことをしたと思います。現在の自分なら、内部の装飾やステンドグラス、天井、祭壇、歴史展示などを確実に見ていたはずです。
それでも、外から見ただけでもマーチャーシュ聖堂は十分に印象的でした。白い外壁、鋭く伸びる塔、色のある屋根、そして広場に立つ三位一体像。ブダの丘の上で見たその姿は、ブダペストの歴史的な景観を象徴するものの一つとして、強く記憶に残っています。次に訪れる機会があれば、今度は必ず中に入り、かつて自分が見過ごした部分までじっくり見てみたいと思います。
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Budavári Evangélikus Templom és Gyülekezet
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