チェコ・プラハの旧市街橋塔を訪れました。プラハ観光の二日目で、この日は朝から火薬塔やティーンの前の聖母教会など、旧市街の歴史ある建物を見てまわっていました。その流れでカレル橋へ向かうと、橋の手前に黒っぽい石造りの塔が見えてきました。それが旧市街橋塔でした。
プラハの旧市街は、歩いているだけで中世の都市の中に入り込んだような感覚になります。火薬塔もそうでしたが、旧市街橋塔もまた、単なる観光名所というより、街の入口や境界を示す建築としての存在感がありました。石の色が濃いためか、塔全体が引き締まって見え、カレル橋の前に立つ門として非常に印象的でした。
塔の手前にはカレル4世の像がありました。カレル4世は、神聖ローマ皇帝であり、ボヘミア王としてもプラハの発展に大きく関わった人物です。カレル橋の建設を命じたのもカレル4世で、旧市街橋塔もその橋と一体の建築として造られました。橋へ向かう前にその像が置かれていることで、ここが単なる通路ではなく、プラハの歴史を象徴する場所なのだと感じられます。
旧市街橋塔は、14世紀後半に造られたゴシック様式の塔で、建築家ペトル・パルレーシュの設計によるものとされています。ペトル・パルレーシュは、プラハ城の聖ヴィート大聖堂の建設にも関わった人物で、プラハのゴシック建築を語るうえで欠かせない存在です。この塔はカレル橋の旧市街側の入口であると同時に、ボヘミア王の戴冠行列が通る象徴的な門でもありました。王が旧市街からプラハ城へ向かう道筋の一部だったと考えると、橋の前に立つ塔の意味がより大きく見えてきます。
塔の下部は門のようになっており、そのままくぐり抜けることができます。上部には、聖人と思われる白色の像がいくつか並んでいました。黒っぽい石造りの塔に対して、白い像がよく目立っており、遠くから見ても装飾がはっきり分かりました。実際には、聖ヴィート、カレル4世、ヴァーツラフ4世、聖ヴォイチェフ、聖ジギスムントなど、プラハやボヘミアの歴史に関わる人物や聖人が配されています。塔全体が、ただの防御施設ではなく、王権や信仰を表す記念碑でもあったことが分かります。
旧市街橋塔の下をくぐると、その先にはカレル橋が続いていました。塔は橋の入口に建っているため、ここを通ることで旧市街からヴルタヴァ川の上へ、そして対岸のマラー・ストラナやプラハ城方面へ向かうことになります。現在は多くの観光客が行き交う場所ですが、かつては王の行列や商人、巡礼者など、さまざまな人々がこの門を通っていたのだと思うと、足元の石畳にも歴史の重みを感じます。
プラハには多くの塔がありますが、旧市街橋塔はカレル橋と一体で見ることで特に印象が強くなります。橋へ入る直前にそびえる黒いゴシックの塔、手前に立つカレル4世像、そして門の先に広がるカレル橋という流れは、プラハ観光の中でも非常に象徴的な場面でした。塔そのものに登ったわけではありませんが、下をくぐって橋へ向かうだけでも、プラハという都市が積み重ねてきた歴史を感じられる場所でした。
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